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2004/09/20

”棲み分け”でプロ野球問題を考える

今西錦司は生物全体社会は常に安定を志向している、生物全体社会を構成する種社会、その種社会を構成する個体は、全体と個の共生、共存、競争を通して安定を維持していると説いています。仮に生物全体社会を産業全体、種社会をプロ野球業界として、球団を個体と当てはめると11球団、次に10球団と個体数が減っていくことは種社会としては種の滅亡へ直結していますから好ましくないのです。プロ野球全体としては球団が増えて競争が盛んになったほうが都合がいいはずです。個体を構成する選手にとっても細胞が競争によって活性化します。球場、ホテル、弁当、ビールなどなどプロ野球を取り巻く近縁の産業も共生して潤っているので、狭義の球団が儲かっていない、それなのに選手のギャラが高いなどと問題を矮小化しては全体が見えなくなってしまいます。もしプロ野球という生物だったら当然のことのように年老いた近鉄とオリックスの合併、ダイエーとロッテの合併も進み、楽天、ライブドア、シダックスが新球団として誕生するでしょう。福岡と釜山という立地からもダイエーとロッテが一緒になれば今後アジア野球の拠点としても面白くなるのではないでしょうか。一リーグへという意思の働きこそ、競争進化論に毒されているようにみえます。今はファンの嫉妬心を掻き立て「選手の年俸や契約金が高い」という枝葉の問題にファンの目を向けて、問題を矮小化して選手とファンの間を分断してはいけないのです。プロ野球という種社会が縮むということは産業全体にとっても大きな損失です。
プロ野球の今日的問題は経済全体に共通する問題でもあります。形ある物を売る時代は終わったのです。情報社会はエンタティメントという目に見えないものを売る社会ですから、エンタティメントがわからないわれわれ老中世代はそろそろ控えて、若い世代にすべてを委ねたほうがいいのではないでしょうか。権力を握っている老中の英断がいま求められています。事業は未来へのバトンタッチです。 

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コメント

棲み分けというと、逃げるとか、弱虫というイメージを持つ人が多いのですが、そうではないんですね。個体間の競争、闘争はありますが、それは進化とは因果関係がないとうことですね。環境(お客様)働きかけ、選ばれていく過程で進化していくのでしょう。企業経営で商品、サービスを考える上で大きなヒントになりますね。子供の頃からけんかが苦手だったことも、今西進化論に傾倒したことと深い関係がありますね。

投稿: 懐中電灯 | 2004/09/22 21:40

プロ野球に例えられた話解りやすかったです。弱肉強食ではなく種の安定をめざしている。年老いた者は姿を消していく。変えていく。そこで藤沢武夫さんの万物流転から逃れるにはとなるのですね。『自灯明』

投稿: 山本権兵衛に憧れて | 2004/09/22 07:29

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