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2004/09/08

経営戦略に棲み分けを!

 私が今西進化論に出会ったのは30年ほど前、原価管理担当で工場中を「コストダウン」「ムリ、ムラ、ムダの排除」「次は部門別採算制」とキンキンがなりながら走り回っていた頃、会社の先輩から「お前はどうして、重箱の隅ばかりつついてるんだ」「競争、競争って騒ぐけど競争では会社は潰れない」「会社は潰れるべくして潰れるんだ、この本でも読んでみろ」と渡されたのが、今西錦司著「進化とはなにか」でした。それから今西錦司を読み漁りそれまでの超合理主義者からすっかり宗旨替えをしました。
 進化=進歩、経営戦略は競争戦略と考えていると、発想はライバルとの比較に終始し、「敵が新商品をだすから・・・」「目標マーケットシェアXX%!」「前年対比売上XX%up」と罵声をあげてしまいます。「ライバルが!ライバルが!」といっているうちに、さて「お客様はどこへいったのやら」お客様のことは二の次です。進化=変化という視点では、生物は環境の変化に合わせて、自らを変えていきます。同じ種の個体同士の共食い(カニバリズム)はタブーです。闘争も縄張りから追い出すのが目的であって、必要最低限の争いです。企業にとって環境はお客様です。進化=進歩ならライバル企業との闘争ですが、進化=変化ならお客様という環境にあわせて会社を変えていくことを重視します。いくらコストダウンして価格競争力をつけても、お客様に合わないものは買ってもらえません。顧客満足経営とはまさに棲み分け経営のことではないでしょうか。マーケットシェアを上げてバイイングパワーをつけてコストを下げるとか、経年変化で習熟してコストが下がるのは当然のことで、コストダウンとはいわないのではないでしょうか。マーケットシェアもお客様に選ばれた結果ですから、単に売上高でシェア比較をするのは意味が無いどころか変化を遅らせる原因をつくることになります。いつか来た道、生産能力過剰、売り場面積過剰で自滅します。生物も個体が異常発生すると自然に均衡するまで減っていきます。
 会社が変わるということは、経営者が変わり、社員が変わることです。競争戦略を信奉している方に「棲み分け」というと”逃げるなんて卑怯だ”と思うようです。正々堂々戦うのは勇ましいのですが、それは経営目的ではないのではないでしょうか棲み分けとはけっして逃げることではなく変わることなのです。リストラクチャリングもすっかり「切捨て」のイメージが定着していますが、本来は「リ・ストラクチャリング」ですから、まさに変わるための”再構築”、膨張しないで日々再構築ですね。
 最近「これからは『ナンバーワンより”オンリーワン”』になろう」という標語も目立ちますが、その会社の行動を見ると、相変わらず同業他社を見て似たようなことをやっています。これではオンリーワンにはなりません。同業他社と違うことをする、ロンリーワンに耐える強さが、棲み分け経営には必要になるでしょう。生物だってきっと新天地を求めて、新しい時空に飛び出していったときは必死だったのではないでしょうか。 

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コメント

確かに、競争が目的ではないはずなのに、ついつい競争に走ってしまうことが多いですね。

投稿: Key | 2004/09/08 16:09

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