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2004/09/28

孫悟空の金の輪と経営理念

<お釈迦様の掌と孫悟空 >
Photo まずご存知西遊記のくだりから、石から生まれた石ザルの孫悟空は持ち前のエネルギーを持て余し、天界で大暴れします。あまりの乱暴狼藉に怒ったお釈迦様は孫悟空を大岩の下に閉じ込めてしまいました。それから月日は流れお釈迦様の予言どおり、三蔵法師が天竺へ向かう旅の途中、大岩の下敷きになって動けないでいる孫悟空の前を通ります。三蔵法師の祈りで大岩の下から出ることができた孫悟空は予言に従って、三蔵法師の天竺への旅に随うことになりました。出発に先立って三蔵法師は金の輪を孫悟空の頭に嵌めて随伴の印にします。
 旅の途中孫悟空は自分の持ち前のエネルギーを持て余し繰り返し悪さをします。いよいよ手がつけられないほど暴れると三蔵法師はお経を唱えます。三蔵法師がお経を唱えると孫悟空の頭に嵌められた金の輪はじわじわと孫悟空の頭を締め付けていきます。痛みに耐えかねた孫悟空はしぶしぶ三蔵法師のいいつけに従うことで窮地を脱します。金の輪に締め付けられる痛さを忘れては、悪さをし三蔵法師のお経に苦しめられることを繰り返しながら、天竺への旅を続けていきました。  

 産業社会が終わりがむしゃらに突っ走る時代は終わりました。四日市喘息、水俣病やヒソ中毒事件など企業がお客様や社会に悪影響を与えた事件も多々ありましたが、弾劾されるまでにはかなりの時間がかかりました。今はばれたらたちどころに雪印乳業、三菱自動車のように客離れという形で、企業の存亡を問われるほど厳しく弾劾されてしまいます。発展途上の昔なら庶民も「豊かになるためには、少々のことは」と見過ごしていたのですが、日本もここまで豊かになると「もっと豊かになりたい」とは思っても「そこまでしなくても」とブレーキが働きます。産業社会も終焉し、ポスト産業社会は情報社会と定義され目にみえないモノを売り買いする時代になり、「理念なき経営は滅びる」といわれるようになりました。さて中国の明の時代の物語孫悟空となんの関係があるのでしょうか。
 中小企業といわず大企業といわず経営者や経営者予備軍はみなさんは孫悟空なのです。孫悟空に喩えると世の経営者の皆様に怒られるかもしれませんが誤解しないでください、ほめ言葉のつもりです。誰でも経営者になれるわけではありません。経営者は好むと好まざるとにかかわらず闘わなければならないときがあります。エネルギッシュで闘争心が旺盛でなければ経営者にはむかないのです。三蔵法師に随伴した孫悟空はもちろん、猪八戒、沙悟浄もみな実は仏の化身、志は高いが弱々しい三蔵法師の旅(目的)を遂げる手助けをするのです。だからエネルギッシュで闘争心がないと目的を達することはできません。まさに経営者ネバギブアップのパワーです。エネルギッシュであるがゆえに時折目的と目標を取り違えて暴走してしまうことが起きるのでしょう。
 孫悟空なら三蔵法師がお経を唱えれば暴走も納まりますが、経営者は三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄が一体ですから、経営者が暴走したら誰もお経を唱えてくれません。社員は心ならずも一気呵成に暴走します。一緒に走らなかったら脱落なのです。不祥事を起こした企業の経営者が、テレビの前でよく「自分は指示していない」「社員が勝手にやったことだ」といますがすべての発信源は経営者の「念」にあります。
 経営理念という金の輪を自分の頭に嵌めて、日々理念というお経を唱え、金の輪を締めつづけていれば、エネルギーが余っても暴走しないようになるでしょう。孫悟空の金の輪も、企業の経営理念も自らを破滅から守るためのものです。最近とみに企業の社会的責任といってCSRが声高に叫ばれるようになりましたが、CSRの前に経営理念の遵守を徹底しないと仏作って魂いれずになってしうのではないでしょうか。むしろ経営理念の徹底が必然的にCSRに行き着くのではないでしょうか。

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コメント

まさにそうですね。「お客様という環境」が変化するのですから商品、サービス、社員、店舗、設備などなど目に見えるものは変わってくし主体的に変えていく、その源泉となる目に見えないものが理念ですから、バトンタッチしたからといって源泉が急に変わるものではないですね。熟成して後”自ずから変わる”のが理念でしょう。「経営に終わりはない」は藤沢武夫がホンダとして語り継いでほしい理念を抽象的な言葉で伝えては後世のひと達が間違うといけないので、過去の具体的な意思決定を通してふみ跡として伝えたものだと思います。受け取る側はその中を貫いてる理念(道)を継承しなければいけないのです。
 「見えるものと見えないモノ」メビウスの輪のように永遠に回っていくのではないでしょうか?「色則是空」「空即是色」です。

投稿: 懐中電灯 | 2004/09/28 09:13

私今この様な事を思いました。経営理念を考えた社長がいらっしゃる間は浸透することができるだろうけど代が変わったら?それに対する自分なりの答えとして代が変わる時受け継ぐ者がしっかり時間をかけて自分の中で消化しないといけないと思いました。会社は法人と言われるように人格(理念)はあまり変えない方が良いのかもしれませんね。

投稿: 山本権兵衛に憧れて | 2004/09/28 07:59

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