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2004/10/06

西遊記と三国志演義

日本では西遊記と三国志演義では圧倒的に三国志に人気があります。ところが15年ほど前、縁あって中国人の友人ができました。かれは日本人は三国志が好きですが、中国では「子供には三国志を読ませるな、西遊記を読ませろ」「三国志は大人になってから」という教えがあるといいます。三国志演義を読むと必ずといっていいほど劉備、諸葛孔明、関羽が好きになってしまいます。それは日本人も中国人も同じです。主役は桃園の契りで死ぬときは一緒と義兄弟の契りを結ぶ、劉備、関羽、張飛、そして劉備が三顧の礼で迎えた諸葛孔明です。企業に喩えると、兄貴分の劉備を社長にして三人の仲間で会社を立ち上げますが、徳望の高い社長(劉備)と信望のある専務(関羽)豪腕の営業担当常務(張飛)でいくら頑張っても、会社は利益もでない赤字続きの零細企業のままです。自分たちには戦略が欠けていることに気づき、諸葛孔明を戦略担当室長に迎えてからの劉備の会社は順調に成長して一時はシェア30%を取るところまでなります。しかし魏、呉、蜀三国ではあくまで魏が中央政権で、劉備の蜀はローカルな弱小政権なのです。真の英雄は曹操、庶民は庶民感情から同情心、判官贔屓で自分の境遇を投影して劉備を好きになり劉備の政権を応援します。西遊記の主人公孫悟空は有り余るエネルギーで大暴れ、時々悪さもしますが妖怪、悪魔を痛快にやっつけ、のびのび大活躍です。子供のときにローカルなものに自分を投影してはいけないというのが中国人の思いなのだそうです。
流石に中華思想のお国柄、西遊記の夢を存分に刷り込んで、大人になって分別がついたら三国志演義を読むのだそうです。子供の教育としてはとても理に叶っています。しかしいまさら我が家はすでに子育ても終盤もう手遅れです。自分自身も雑誌小学六年生の付録で三国志演義の抄訳を読み、最終章「秋風五丈原、死せる孔明、生ける仲達を走らす」にしびれたものでした。すっかり諸葛孔明の大ファンです。長男が小学六年に進級したときに横山光輝の漫画三国志を全巻買い込んで机の上にどんと積み上げて、しっかり右脳に刷り込んでしまいました。もう手遅れ、当然息子も諸葛孔明の大のファンです。

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コメント

はじめから強者弱者と別れていたわけではないのに、はじめはほんの少しの差だったものが次第に広がっていき追いつくことができない大きな差になっていきますね。日本の若者のいいしれぬ無力感の大きな要因ではないでしょうか。テレビでも御用学者が声高に語る「努力したものが報われる社会」というプロパガンダもあきらかに強者におもねって姿勢の表れです。消費税15%やむなし、相続税の引き下げ等々、日本の二極分化はすでにそうとう進んでいます。「悪意なき欺瞞」は実は強者の論理の進行をマイルドに見えないようにするカモフラージュのようなものです。失われたこの14年、「一億総中流」は1987年~90年のバブルの過程ですっかり崩壊しています。一般庶民はそれとは気づかず、強者の論理を支持してしまいます。自分は弱者とは認めたくない気持ちは分かりますが、そこに二極分化の構図があると思うのです。

投稿: 懐中電灯 | 2004/10/09 16:20

 三国志は地方政治の範囲とははじめてしりました
18史略とともに中学高校でよく読みました
 物事の行動の大きさ、物語に出てくる人員数、距離など尺度の大きさに驚いたのですが、飲み食いする人間関係も印象に残りました
 孔子、孟子の思想が日本の管理社会の基本ですが、境野勝悟先生の老子、荘氏思想の本やテープに接して、多いに共鳴し自然体の必要を強く感じていましたが、実は理解してなかった。
 やはり強者が支配する思想は、共存になりません
今のアメリカや日本と同じです。
 昨年イラク戦争でアメリカが正しい思い、EUの狡さばかりを気にしていましたが、今になってはどうも老荘思想すら理解してなかったと改めて反省します。
 場面が変わると私自身が、ころころ変わるようで醜さを晒しています。やはり1本筋金が自分にないのですね。 

投稿: とよとよ | 2004/10/07 16:16

私、ブログ読ませて戴きながら多くの親御さんが、三国志を選ばれるだろうと思いました。
 確かにそうですよね。子供さん達は、無限の可能性がありますから、現実の物語(限られた世界の話)は可能性を縮めてしまう事があるかもしれませんね。ナポレオン・ヒルだったと思うんですが、『自分の考えた以上の人間にはなれない』ということが書かれてあった気がします。私もそうだと思います。

投稿: 山本権兵衛に憧れて | 2004/10/07 08:14

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