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2004/10/15

デフレが止まらない本当の理由

日本経済は1970年代からすでに供給力が国内需要を上回り供給力過剰を続けていて、長い間その供給力過剰を輸出ドライブで消化してきたのです。プラザ合意で輸出依存に凝り固まった頭に冷や水を浴びせられ、にわかに国内需要を拡大しょうした経済政策は過剰流動性を生みバブルを引き起こし、さらに供給力を増大する結果になりました。以後今日まで続いているデフレの原因はメーカー、スーパー、デパート等々製販挙げて長い間積み上げた供給力過剰の問題であって決して国内需要の不足の問題ではないのです。メーカーの供給力は時間の経過とともに技術も生産設備も陳腐化し、おのずから削減されますが、スーパーをはじめとする流通業は店舗と社員が供給力ですから、目に見えないところで陳腐化しているのに、目に見えるところは陳腐化しないので、みずからは気づかず供給力の削減がすすまないのです。
 ダイエーの整理が産業再生機構入りでどうにか最終決着がつきそうですが、遅きに失した感があります。すでに6、000億円を超える公的資金という名の国民の血税を投入しています。それでも相変わらずの安売り体質に変化は見られず,同業他社の足を引っ張るだけで業績も回復していません。今度の産業再生機構の再生スキームでさらに4、000億円以上の血税が投入されるようです。これでホラー映画のゾンビのように生き返ったら、迷惑するのは大手スーパーや地元で必死に努力している中小スーパーではないでしょうか。特にダイエーに恨みがあるわけではないのですが、ダイエーに象徴される企業再生の仕組みがデフレが終わらない本当の原因だと思うのです。政府はバブル崩壊後の14年間国内需要不足を理由に公共工事に税金を投入し、流通救済、銀行救済、ゼネコン救済と供給側を守る経済政策に終始してきました。資本主義の世の中勝ち組だけで運営している政府も、勝ち組と思っている主流の経済学者も勝ち組の供給側に立って物事を考え問題解決をしてしまうのでしょう。デフレの原因は供給力の過剰ですから、救うべきは事業に失敗して債務過剰で駄目になった企業ではなくて、整理したときに影響を受ける中小企業や社員など弱者の側なのです。乱暴なようですが一度負けた企業が退場して供給力削減がすすまない限りデフレは止まらないのではないでしょうか。一言付け加えるなら、青臭いと思われるかもしれませんが「価格破壊」一辺倒ではなく、作り手、売り手、買い手三者が満足できる、共生できる価格を模索し続ける「信頼」を日本経済に取り戻したいものです。「信頼」ほどコストの安いものはないのですから。
 負け組みとは勝ち組同士の闘争に敗れた者のことではなくて、いつも闘争のとばっちりを受ける弱者であり、その弱者が救われない社会は極めて不安定な、悲惨な、危険な社会になると思うのです。


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コメント

目先にとらわれるな。という言葉を聞きます。この言葉は都合良く使われているように感じます。
 というのがダイエーの社長からすれば、『今回債権放棄してくれたらウチは盛り返すから目先に捕らわれないで』と、いいたいだろうし政府がわからすれば『一時的な延命にすぎないのだから目先ばかり追うな』となると思います。
どちらの立場にいても冷静に見れるようになりたいです

投稿: 山本権兵衛に憧れて | 2004/10/16 06:23

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