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2005/02/10

子離れを急いで!

昔は「獅子は子供を千尋の谷へ突き落として、這い上がってきた子を育てる」と聞かされました。今では滅多に聞かなくなりました。それほど気張らなくても、もっと現実的に子離れを考えたいものです。動物はさっさと子離れします。食物連鎖の劣位にいるものほど子離れが早い傾向があります。子供がいつまでも親の傍にいると、親の身が危ないのです。きわめて親の自己中心的な行動から子離れします。

それがひいては子供の命を守ることに繋がっていきます。熊の母親は子育てを二年するそうです。二年経つと無理やり子熊を引き離して分かれてしまいます。その代わり二年間は必死にオス熊から逃れて暮らします。オス熊は子連れのメス熊を見つけると小熊を殺してしまいます。小熊が死ぬとメス熊は発情するのだそうです。野生のチンパンジーにも母親の死後、しばらく母親の死骸から離れなかった子供が結局母親の傍で餓死したという親離れさせなかった悲劇の話があります。最近若い母親は自分が遊びたい一心で、子供を虐待するというニュースを聞きます。人間ももっと動物の生態に学んだほうがいいようです。「人生は競馬」の絵を見ていただきたいのですが、子離れの時期は第二コーナーを回って向こう正面の直線に出る二十歳くらいのところではないでしょうか。おおよそ大学を卒業するまでの期間です。昔なら貧乏な家では義務教育が終わるか終わらないうちに追い出したものです。親に子供を遊ばせておく余裕などなかったのです。それでも昔のひとのほうが親孝行者が多かったようです。今は親が目先経済的にゆとりがあるのでつい、子離れを忘れてしまいます。しかしわれわれ庶民は老中をどう生きるかを考えるといつまでも子供に手をかけているほど余裕はないのです。先のことを考えないで余裕があると錯覚していたり、教育投資といって後で子供の世話になろうなどと考えても駄目なのです。年金の崩壊、消費税の引き上げ等々難問山積の今、老中も自己責任でホームストレッチを駆け抜ける覚悟が必要です。
 先週末土曜日(2005年2月5日)のNHKスペシャルは「フリーター漂流」というテーマでした。なんとすでに100万人がフリーターとして国内の工場で働いているといいます。企業が工場内の単純労働を請負会社に委託すると、委託を受けた請負会社は若者を時給900円位で短期雇用して配置します。宿泊施設も請負会社が用意しています。以前中国人を研修と称して宿泊施設に泊めて作業させていたものが今では日本人の若者でも合法的に代替できるようになってきたのです。企業はグローバル化、コスト競争のために正社員を採用限定し、派遣社員すら制約があり生産量の変動に耐えられないからといって請負会社に任せてしまいます。単純労働の連続ですから、フリーターといわれる若い人々には熟練する機会は与えられていないのです。自分たちで次代の芽を摘み取ってしまっています。番組の中である母親は「あわてなくていいから自分のやりたいことが見つからなかったら、いつでも帰っていらっしゃい」と物分りのよいことをいっています。自分が死んだ後のことまで考えが及ばないように見えます。教育でもっとも大切なことは「自立心」「自己責任」を身に付けさせることなのに、自分に依存させ自分が「いいひと」「やさしいひと」になって満足してしまっています。わずかな年金を貯めて孫の心まで金で買おうという段に至っては、なにおかいわんやです。親がこのような心理状態では、折角働く意欲があってもまだまだ漂流する若者が増えていくのでしょう。請負会社はすでに全国に一万社を超えているそうですが、番組中で、請負会社の社員も、委託する会社の経営者も当然のような顔をしてテレビに映っていました。一昔前なら”搾取”といったのでしょう。とはいえ現実にはこのグローバル化の流れが止まらない21世紀、ミクロの企業単位では流れに乗っていく以外に対処法はないのでしょう。とするとこのマクロの状況をどうしたらいいのでしょうか。
 「這えば立て、立てば歩めの親心」これは未成熟な経済社会の標語です。忘れていたのか、都合のよいところしか見なかったのか、この句には「わが身に積もる老いを忘るな」という下の句があります。成熟ための標語です。親世代には自らの老いや、死から目を逸らさないで、日々老いと死を自覚しながら生きる成熟の知恵が求められているように思います。

 

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コメント

親の職業を継げるということは、ありがたいことですね。とっても恵まれていたということです。
いまでは大多数の若者は親の職業を継ぐということが出来ない時代です。恵まれた分だけナバホ族の言い伝えを忘れないでくださいね。「子孫より借り受けたものである」

投稿: 懐中電灯 | 2005/02/17 08:35

よく言われている事ですが今時代の流れが速い、これが影響しているのか解りませんが自分がしたい事を選びかねている若者が多いというのも解る気がします。私は、幸い親が自営をしていましたのでその流れに乗ることができましたが、このような環境で無かったらどのようになってたかな?と思う事があります。
でも、一つの仕事に打ち込みその中で成功、失敗を積み重ねていくことは、大切なことですよね。その場が無い現在は個人、日本のためには良い環境とは言えないですよね。

投稿: 山本権兵衛に憧れて | 2005/02/10 08:30

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