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2005/06/16

コストはかけるもの

「コストがかかって・・・・・」と嘆く経営者を多くみかけます。「社員にコスト意識を植え付けて欲しい」といった要請もしばしばあります。しかしよくよく考えてみていただきたいのです。”コストはかかるもの”と考えていると、「コストダウン」「コストダウン」とひたすらコストダウンへの掛け声が強くなり、削ることばかり考えてしまいます。そうすると、まず社内に摩擦が起こるようなことを避けて、削りやすいものから削ってお茶を濁してしまいます。一番削りやすいコストはお客様に関るコストです。社内は揉めますが、お客様は黙って去っていってくれます。そして

「うちの社員はコスト意識がないから儲からない」と嘆くようになります。社員にコスト意識がないのではなくて、経営者に「コストをかけている」という意識がないのではないでしょうか?意識を変えてみてはいかがでしょう?コストには変動費(vPQ)と固定費(F)とがありますが、いずれにしろ「コストをかける!」と考えると、5W1Hが浮かんできます。かける以前にコストをかける「目的と目標」も明らかになり、目的、目標を達せられなかったら、「さてどれを削るか」という話になるはずです。かけるという意識から戦略思考が生まれメリハリのついたお金の使い方ができてきます。「お客様第一主義」「顧客満足」のスローガンを掲げ、一方で「コストダウン」「ムリ、ムラ、ムダの排除」と掲げたらお客様、社員はどう思うのでしょうか。お客様第一主義は外向きの標語、「コストダウン」は内向きの標語です。表地と裏地の関係です。お客様第一主義のためには顧客の接点にコストをかけなければできませんし、世の中そんなに思い通りにはいきませんから、結果としてムリ、ムラ、ムダが発生します。その発生したコストを、次の段階で社内外の知恵を総動員して削り、ムリ、ムラ、ムダを排除していくのではないでしょうか。多くの企業で表地の標語とそれを裏打ちする裏地の標語を一緒にして表地にプリントしていることに気がついていないようです。成果主義の弊害が取りざたされていますが、原理原則は「人に人件費というコストをかける」という意識の欠如がもたらしたものといえます。短絡的にだから年功序列、終身雇用がいいとのたまうのはこれまた間違いです。21世紀の経営者はつねに表裏一体、メビウスの輪のごとく、胡蝶の夢のごとく、矛盾を承知で理想を求めて欲しいと思っています。

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コメント

サービス業は顧客の接点の人材が大事ですね。そこの人件費をただ削るだけでは、いい接客はできません。厳しさに耐えることができる人材が必要です。

投稿: 懐中電灯 | 2005/06/21 00:59

お客様の視点と会社の視点って合いませんよね。視点をシンクロさせていく一つの方法が対話だと思うのですね。そこが人件費のコストをかけるポイントの一つと思うのです。

投稿: 雑草 | 2005/06/16 07:46

コストはかけるもの

現在進行形の内容を書いてみました。

なかなか実行することは大変なことですが、キチンを理解して行えばこれほど強いことはありませんね。

投稿: 市川 稔 | 2005/06/16 07:04

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