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2006/05/02

憲法第九条についてー昭和の三傑ー

戦後60年、改憲が大きな政治課題になりつつあります。その中心テーマは憲法第九条をどうするかです。近々国民一人ひとりにも突きつけられる命題です。「あなたならどうする!」護憲派も改憲派も是非読んでおきたい一冊があります。元文藝春秋の編集長(堤堯)が長年の取材と練達の筆で解き明かす「昭和の三傑」「憲法九条は救国のトリックだった」です。

日本国憲法は、世界にただ一つ「戦争放棄」「戦力不保持」を掲げた平和憲法ですが、改憲論の根拠の大筋は、敗戦国としてアメリカから押し付けられた憲法だから独自の憲法を制定すべき、「改憲の中心は第九条だ」ということだと思います。理想主義のマッカーサーが「象徴天皇制存続」と引き換えに「戦争放棄」「戦力不保持」を無理やり押し付けたというのが定説です。そのアメリカが朝鮮戦争、ベトナム戦争に臨んで「しまった間違った」と思ったのです。日本人を最前線に立たせることができないのです。
 過去の歴史では戦に破れた国の民は、必ず戦勝国の次の戦争に駆り出され、最前線に立たされて、血を流し多大な犠牲を払わされます。しかし戦後の日本は第九条のお陰で朝鮮戦争もベトナム戦争でも日本人は直接戦線に立ち犠牲を出すことも、相手国の国民の血を流して恨みを買うこともなく、やり過ごすことができました。イラク戦争では出兵はしていますが、蛸壺の中に閉じこもっていても、アメリカから卑怯者と謗られることもなく、いまのところ血も流さすことなく済んでいます。歴史上の奇跡というべきでしょう。
 第九条は日本人がマッカーサーの理想主義に乗じて、うまく紛れ込ませたという説があるといいます。その日本人とは戦後の首相、鈴木貫太郎、幣原喜重郎、吉田茂です。「昭和の三傑」で、著者は三人の虚々実々の老獪な駆け引きで、第九条挿入をリレーで成し遂げた様を活き活きと描いています。

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コメント

おもしろそうな本ですね。是非読んでみたいです。

投稿: 雑草 | 2006/05/03 08:01

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