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2006/06/26

日経朝刊の「チンギス・ハン」が面白い

老中になると渡辺淳一の筆致を日々朝から読むには耐えませんでしたが、このところ日経新聞の朝刊を後ろから読む楽しみを味わっています。堺屋太一の「世界を創った男チンギス・ハン」が連載されています。部族の長の父親が死に部族は散々になり、広大な草原の片隅に、幼いテムジンのもとに家族が取残されてしまいます。その小さな集団をユーラシア大陸の2/3にまたがる大帝国にまとめていく物語です。堺屋太一の筆致ですから経済論、経営論的風景を醸し出しながらの連載で日々楽しみに読んでいます。今なぜチンギス・ハンなのでしょうか?21世紀のキーワードが地球化(グローバル化)だとすると、ユーラシア大陸の国家の興亡が世界の焦点になるからではないでしょうか?地政学的にも今ユーラシアが面白いのです。

残念ながら実力及ばず日本は決勝に残れませんでしたが、世界中がサッカーのW杯で賑わっています。W杯の度に地球儀が売れるそうです。日本人の多くは地球儀を観てもユーラシア大陸というくくりで大陸を観るひとは少ないのですが、ユーラシア大陸というくくりで歴史を見直すと紀元前八世紀のスキタイを起源とし匈奴、突厥、モンゴルと続く遊牧国家が果たした大きな役割が見えてきます。
 遊牧民は遊牧民だけでユーラシアに広がる大帝国作ったわけではなくて、都市国家、オアシス国家、農耕民族の国家を、軍事力、機動力、統治力で繋いで大帝国を築いていったのです。中国の歴代国家の経営もユーラシアの遊牧民族が主客ところを変えながら興亡してきたのです。その役割はとても大きかったのです。ソ連が崩壊し中国も資本主義化して封印されてきた中央アジアの遺跡、歴史的資料も表舞台にでてきました。堺屋太一はきっとそれらも取り入れた新しい遊牧民像、チンギス・ハン像を見せてくれることでしょう。
 ヨーロッパは旧ローマ帝国の版図と再現するようにユーロとしてまとまり、ソ連が解体し資本主義化したとはいえ、直ちに民主化されるほど政治は単純ではなさそうです。もちろん中国も経済発展によって液状化していくことでしょう。
アメリカはユーラシア中央部アフガニスタン、イラクに楔を打ち込み、インドを懐柔しようとしています。ユーラシア大陸の周縁に位置する日本の国家としての有り様も、その国民たる我々もユーラシアの視点、遊牧民族の視点で自分を見つめてみる必要がありそうです。杉山正明京都大学教授の著作が今注目です。
杉山正明著
 遊牧民から見た世界史、 逆説のユーラシア史

Z・ブレジンスキー著
 地政学で世界を読む

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コメント

今、司馬遼太郎の「この国のかたち」を読んでます。その本にも少しユーラシア大陸の勢力争いが書かれていますがユーラシアの人々は感情的にも、歴史そのものも複雑だなと思いました。

投稿: 雑草 | 2006/06/27 08:09

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