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2006/07/24

日本沈没を見た

日本列島が沈没するとしたら、さてあなたはどうしますか?
 日本沈没を見てきました。33年前はプレートテクニクス理論がまだ新しく、新鮮で沈没の仕組みに興味がありました。今度はどんな描き方をするのだろうか興味がありました。
 日本が後330日足らずで太平洋に沈んでしまいます。諸外国に日本人受け入れを頼みますが、せいぜい三千万人程度、残りの九千万人は日本列島とともに沈んでしまうという過酷な状況で意思決定するのは、石坂浩二扮する総理大臣です。こういう過酷な運命に立たされたとき、日本人には「何もしないという選択、このまま一億二千万人が皆、従容と運命を受け入れていく選択」もあるという言葉が印象的でした。「でも自分の孫は助けたい」と総理はつぶやきます。その総理大臣は中国に日本人の受け入れを依頼に飛ぶ途中、阿蘇の噴火で飛行機もろ共、吹っ飛んでしまいます。

 次に首相代行に立った政治家はどうしたでしょうか、本当のことを国民に知らせずに、「日本列島は五年で沈没する、しばし時間はある、順次日本を離れることになる」と嘘の政府発表をします。その上で、自分はアメリカで指揮を取るといって、京都の寺の仏像をアメリカへの手土産に、家族共々一足先に逃げ出すのです。インサイダーもいいところですね。本当のことを国民に知らせないで嘘をつく、なにやら近頃の政府など日本のリーダーのやり方に似ています。
 草彅剛扮する若者小野寺青年は映画の前半では「自分は日本を脱出する、生き残る」といっていました。しかし後半では自分だけが残った日本人を、救う可能性を持っていることに気づき、自分の使命に目覚め、自分の命を捨てて、崩れゆく日本列島を救って終わります。ここでも日本の未来を救うのは老中ではなく若者です。
 1/4の日本人しか生き残れないとわかったとき自分はどうするか?一家族から均等に1/4残るとしたら、四人家族の我が家では誰を残すのだろうか?娘か?息子か?二人にくじを引かせるか?
 33年前の日本沈没映画化は1973年、第四次中東戦争勃発、第一次オイルショックが背景でした。原油は3ドル/バーレルから4倍の12ドル/バーレルに跳ね上がり、トイレットペーパーが、洗剤が、店頭から消えるという状況が続きました。今我が家に残っているポリ容器は当時、灯油の在庫を確保するために、勤務先の会社から抽選で貰って帰った薬品の空き容器で、今でも健在です。
 この二年、原油は高騰し、今この瞬間もイスラエルのヒズボラ攻撃(真実は対レバノン戦争)が第五次中東戦争の危険を孕みながら拡大しています。なにやら33年前に似ていますね。年頭から末端価格への転嫁が始まっていますが、今回価格転嫁できるのは、強い企業のみ、したがって、賃金が上がるのも価格転嫁できた会社の正社員のみです。地方経済の沈没もどんどん進行中。このブログを書いている今も、目の前でNHK特集「ワーキングプア」が放映されています。目に見える国土の沈没はなくても、目に見えない日本人の生活基盤の沈没はとっくに始まっているようにみえます。「働けど働けどわがくらし楽くにならざり・・・・・」石川啄木は後世に、短歌と名を残しましたが、我々庶民はなにが残せるのでしょうか。

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コメント

企業人も、政治家も、官僚も権力の中枢にいる人々がおかしくなってしまいました。声が大きいので弱者の声がかき消されてしまいます。「円も直線である」部分的に正しいことをつなぎ合わせて間違ったことをするのです。

投稿: 懐中電灯 | 2006/07/25 08:56

はじめまして!
昨日のNHKTVの話題、どこかでコメントしたいと思っていたところです。

―働いても働いても楽になれない社会―
それが若者の未来を奪っているということでしたね。
他人事と思えない、身につまされて観ていました。
「再チャレンジ」出来ればいいなんていう問題と違いますよね。

投稿: yumenosima | 2006/07/24 21:07

1973年、当時僕は小学校6年。日本放送で日本沈没のラジオドラマを聴いていました。迫りくる危機、不確かな未来が心の中で充満していました。また、クラスで流行っていたものはノストラダムスの大予言でした。これまた、滅びの予感をさせるものでした。私の履歴書でも執筆中の小松左京は何を沈没させようとしていたのでしょうか?社会全体の集合無意識をキャッチした小松は日本を一度沈める必要がありました。では何を?僕の私見になりますが、日本人を流浪の民にさせることで
僕らのアイデンティティを再確認させようとしたのではないかと思います。私は何者?どこへ行こうとしているの?日本とは?しかし試みは成功したのでしょうか?確かなことは33年後再び沈める必要があること。さて何の為に。考えて見ます。working poor関係がありそうです。

投稿: komeya | 2006/07/24 18:25

私の使命は何なのだろう?
どうすれば見つかるのか?気長に探そうと思っています。

投稿: 雑草 | 2006/07/24 08:00

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