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2006/07/17

格差を縮める努力を(2)

日経ビジネスの特集「格差の世紀」の中で、航空会社の客室乗務員から己の才媛ひとつで成功(?)した著名な女性経営者が「格差論は甘えです」と切って捨てています。「今の失業はほとんどぜいたく失業」「チャレンジ精神があって、やる気があれば何でもできる社会ですよ」と折角の美しい顔を歪めて言っています。これらの言葉の裏に「だから上流に上がる自分は正しい、下流に落ちるのはあなたが悪い」と言っているように聞こえます。

そのご本人が人材派遣業というまさに“企業の固定費の変動費化”に協力して若者の賃金の一部を掠めて、格差を助長する仕組みの中で成功しているのですから驚きです。成功の一部は村上ファンドにも回っていたのです。その通りかもしれませんね「甘いから搾取される」でも、ご本人からテレビや雑誌、マスコミの前で真顔で言われると絶句です。
 忘れて欲しくないのは、日本は今まで世界一の識字率で、
従順な、世界一の労働者を作り世界一の医療制度を作り、世界一安定した社会インフラを作ってきました。これらは企業にとっては大事なインフラなのです。そのインフラへのコスト負担を切り捨てて、目先の企業間闘争にまい進したら、一時的にはいいかもしれませんが、後には荒廃した社会が残るだけです。エントロピーの法則で、社会は一度荒廃したら元に戻らないのです。
 しかしもう人材派遣業も請負業務事業も必要悪として社会に定着していくのは避けられないのですから、目先出来ることは最低賃金をせめていまの二倍位に引き上げることでしょう。高コストは価格に転嫁すればいいのです。今成功しつつある才能溢れる方々は、才能は他人の分まで働くように神様から預かったものと考えて、人様のために少しだけ分けてあげて欲しいものです。人間社会は放置すれば必ず差が広がっていくものですから、才能あふれる方々は、格差を縮めるために是非才能の一部を割いていただきたいのです。成功したのならせめて孔孟の一冊でも手にして欲しいものです。「稔るほど頭を垂れる稲穂かな」先人の残した、いい日本語もあるのに!

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コメント

ある教師が私立より公立の小学校で教えるほうがおもしろいというコメントをしていました。公立は、様々な家柄や能力の差が生徒にあり教えがいがあると。なるほど僕も小学校時代を思い出すと給食費を滞納する子や頭の良い子、できは悪いが工作や体育には能力を発揮する子がいました。でもそれってメディアの言葉を使えば格差教室です。有名公立に行けば皆行儀は良く能力の大きな差はあまりない。僕は能力や所得に差があってあたり前だと思います。
問題はそれらのことを枠にはめ、単純化した言葉で言おうするメディアの傲慢だと感じます。
その女性経営者は足の速い子がのろい子に努力が足んないよ言っているようなものです。
単純です、彼女は自己肯定したいがためにそんな発言をしているだけなんです。不安があるんです。

投稿: komeya | 2006/07/18 22:23

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