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2006/07/10

「日本人の嫉妬」と片付けないで

福井日銀総裁に代表される村上ファンド事件、ホリエモン事件このような事件が起きるたびに、「日本人は他人が儲けたり成功するとすぐに足を引っ張る、日本人特有の嫉妬だ」という声が大きいです。「日銀総裁になるほどのひとが2、3億円のお金を持っていて当然」その通りです。だからあの程度のことでやめさせてはいけないというのです。

 江戸時代の士農工商の士は各藩で政治経済を担った官僚です。だから身分が上(尊敬されるべき身分)その代わり儒学を学び、君子たるものの有り様を身につけ、経国済民を心がけたのではないでしょうか。商人はお金儲けの部分が大きいから、その分身分が低くてバランスを取っていたのではないでしょうか?
 庶民の生活の行く末を左右するような要職につく能力を備えたひとには、その要職を目がけて、黙っていてもお金が寄ってくるのですから、日々遠ざけるよう心がけていないと染まってしまいます。村上、堀江事件は度々書いているように、オリックスの宮内氏や竹中大臣、福井氏のような庶民の生活の行く末を左右する地位にいる方々が、年下の若者を教唆して起こした事件です。それだけに本人たち以上に責任があると考える所以です。本人たちが、己や周囲の若者のお金を集めて起こした事件なら、老中が作り上げたシステムの隙間へのチャレンジでもあるわけですから、大目にみてもいいと思うのです。所詮お金の世界のことですから。
 百歩譲って「日本人の嫉妬のなせる業」という批判を認めても、楢山送りの習慣と同様に、もし日本人の嫉妬が社会の安定に資するならそれを是としてもいいと思うのです。オリックスの宮内氏も純粋ビジネスマン(商人)に徹するのなら、少々は許されると思うのですが、時の政権に選ばれ経世済民に絶大な影響を及ぼす諮問委員会の座長を務めているのですからすでに商人の域を超えてしまっています。
 我々老中の多くは山本七平の「日本資本主義の精神」で、石田梅岩の石門心学を知った世代です。改めて自分の書棚を眺めて見てはいかがでしょう。先人の知恵の中に今日の諸問題を解く手がかりが見出せるかもしれません。

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コメント

 アメリカ人は文化的な国に嫉妬し続ける悲しい国なのです。映画「ランボー」があてつけのように始まったがそれは、フランスの印象派詩人アルチュールランボーが日本に定着しようとしていたのでそのテーマを採用した。それ以前を知る、教養のある方に聞けばよいランボーは乱暴者ではないはずだ。
 さらに「ラストエンペラー」も日本を意識してアメリカ人が作った。実際、この地球上でラストエンペラーと言えるのは日本の天皇でしかない(英文でもtennno=Emperor of Japanだ)。つまりイギリス王室はKingdomでしかなく、イギリス王はKingもしくはQueenでLordよりは上だが古代ローマの盟主Emperorにはなれないのだ。これはわが国の歴史で背負わないといけないが、逆にこの事実を強く発信したらいい。
 千年以上前に出来た古事記・日本書紀のいわば東洋のギリシャ神話的な王権が四大河文明が潰えその後出現した第二文明だがその王権が日本にはまだかろうじて残っている。イギリス王室など子供のようなもので、中国にはとっくに王朝はない。しかも共産党はことごとく中国の知的遺産を破壊し続けた。日本の靖国をどうこういうなら、日本人さえ敬意を持って、帝国主義欧米との戦いの心の支えとした儒教を壊滅的に葬っているときく。中国人よ真の誇りが回復できていない!!

投稿: メトロノーム | 2008/08/17 00:06

社会的に大きな影響を及ぼす立場になるとそれだけ大きな注意を払わないといけないんですね。

投稿: 雑草 | 2006/07/11 08:29

藤原先生の国家の品格に、江戸時代、西欧人が驚いたことに武士の貧しさを上げていました。貧しきインテリということですね。しかし、彼らは品位、尊厳、道というものを何よりも一番の価値に置いていたと思われます。お金などを崇拝していなかったのではないでしょうか

日銀総裁といえば、当時で言えば武士階級の最高インテリに属するはずです。僕の持つ違和感は武士である人間にお金の問題が絡んでしまったかことです。それが商である僕にとって、はてなとなり映ってしまったようです。

投稿: komeya | 2006/07/10 17:06

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