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2006/08/26

フラット化する世界(1)

<乱読のすすめ>
書  名   フラット化する世界(上・下)
著  者   トーマス・フリードマン
出版社      日本経済新聞社
 21世紀は格差の時代です。だからこそ、当ブログでも再三取り上げてきました。政治や経済を導くエリートの方々には、その格差を縮める努力をお願いしたいのですが、小泉、竹中コンビは、構造改革の美名の下にその流れに棹をさしてきました。次期政権を担うであろう安倍晋三も「再チャレンジできる社会」などと頓珍漢なスローガンを掲げています。
 さてなぜ格差の拡大が必然なのか、対応策はあるのか、老中にとっては、格差社会に生きる次代に、なにを伝えたらいいのか、若者は格差の時代を乗り切るにはどんな心構えで生きればいいのか、政治家や官僚は何をすればいいのか。

 著者は世界中で、すでに起きつつある事象を整理し「世界のフラット化」を具体的に提示しています。「世界のフラット化」という視点でみるとWeb2.0もフラット化の中の一部の現象に過ぎないことがわかります。
 書き出しもユーモアがあり引き込まれます。コロンブスがアメリカ大陸を発見してスペインに戻り、イザベラ女王に「やはり世界は丸かった」と報告したのですが、家に戻ったコロンブスは、妻の耳元で小声で「世界はフラットだ」といったそうです。グローバリゼーション1.0の始まりです。グローバリゼーション1.0は1492年から1800年頃まで、国家が帆船、蒸気船、腕力で世界へ拡大していった時代です。帝国主義の時代でもありました。グローバりゼーション2.0は1800年頃から2000年頃まで、内燃機関の発明を契機とする産業革命、資本主義の勃興から成熟、多国籍企業という形で企業が市場と労働力を求めて世界へ拡大した時代です。
 1989年11月にベルリンの壁が崩壊しました。世界中が狂喜乱舞したのもまだ記憶に新しい出来事ですが、あれがグローバりゼーション3.0「世界はひとつ」の象徴的な出来事です。「壁が崩れてフラットになる」まさに「フラット化する世界」の序章です。そしてパソコン、ウインドウズ、インターネット、Web、ブロードバンド等々IT技術は、それを使いこなす人間にとっては個人の能力を飛躍的に高めていきます。一つになった世界の個人と個人が、その高まっていく個人の能力によって、国境を越えて相互に比較されていきます。
 コロンブスが新大陸で発見し、妻にささやいたた「世界はフラット」を現代人の著者はインドで発見したと書いています。アメリカのソフト開発や、電話応対サービスなどがどんどんインドにアウトソーシングされ、その仕事をしていたアメリカ人は職を奪われています。農業、工業問わずあらゆる仕事が、そして携わる個人の能力が世界レベルで比較されています。さらに数日前の日経新聞では、そのインドでも、すでに単価の低いIT関連のサービス代行は受注を控え、単価の高い金融関連のサービスの代行にシフトし始めていると報じています。
 著者は執筆に当たって各国の著名人を取材し「あなたが『世界はフラット』を実感したのはどんなことですか?」と問いかけています。

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コメント

アントニオさん
コメントありがとうございます。
ブログにも書きましたが、僕も初孫が上海へ行ってしまうので、顔を忘れられないようにと、スカイプを準備しています。カメラも取り付け、栃木と上海が無料で繋がっています。
 通信といってもブロードバンド化は大量のデータを瞬時に日本中に、世界中に届けることが可能になり、弱者にとっても知恵を出し、汗を掻けば大きな機会が待っています。もっとも知恵と汗はいつの時代も、新しい地平を切り開くエネルギーですね。

投稿: 懐中電灯 | 2006/08/27 17:02

僕にとってフラットしたなという思いは通信です。昨年、バリ島に旅行をした時ですが、携帯に日本の友人から電話がかかってきて
国内にいるような錯覚に陥りました。昔は海外に電話するなんて言うと、お金、手間がかかり手が届かないように思いました。これだったら海外でも仕事できるかなと思いましたね。
そのバリですが、以前テロがありましたよね。あれって報道より早く耳に入ってきました。友人のバリ人からリアルタイムで電話が入り今なんか爆発がしたようだと電話口で騒ぎが聞こえました。情報もフラットだなと思いました。

それと以前僕のギターの先生でもあったフランス人の友人がロンドンに住んでいます。
彼とはメールやスカイプを使用してコミニュケーションをしていますが、得にスカイプこれはすごいですね。費用も気にせずにしかもクリアな音声で電話をすることができます。
以前ロンドンでテロが発生した際これまたリアルタイムで連絡が入りました。
彼は以前日本に住んでいたのですが、昔なら国へ帰った途端、関係の維持は難しかったと思います
が、今では日本に住んでいるのとあまりかわりありません。
これもフラット化の恩恵ですね。

最後にスカイプの話ですが、イギリスだったかな携帯版のスカイプが開発されたそうです。いずれ日本にも上陸するでしょう。
いずれ通信に大革命を起こし、携帯、通信会社の基本的収益構造は崩壊します。NTT等大手は次なるビジネスモデルを模索しているようです。
これもフラット化の一面ですね。

投稿: アントニオ | 2006/08/27 12:07

読みます。

投稿: 雑草 | 2006/08/26 13:15

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