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2006/08/18

南ア北岳から塩見岳を歩く(3)山小屋の顧客満足

     <塩見岳へ最後の急登>
20060811pict0122二日目に泊まる小屋はずの熊の平小屋をすっとばして塩見小屋に辿りつきました。塩見小屋はガイドブックには、山小屋には珍しく「要予約」と書いてあります。
 山小屋は元来いつでも予約なしで泊める原則がありますから、何とか泊めてくれるだろうと思いつつ、昔の常識が通用しないのが最近の風潮だからどうだろう?などと心を揺らせながら重い足を運んできたのです。
 もちろん一人分食事も作ってくれて無事泊まることもできました。

                            <塩見岳山頂イブキジャコウソウ>                20060811pict0132    普通山小屋は予約をしたからといって優先的に泊めてくれるわけではなく、到着した登山者全員を泊めてくれます。その代わりいかなる過酷な待遇も我慢しなければなりません。混雑するときは布団一枚に三人になることがあります。夜中にトイレに起きたら戻るところはありません。自分の頭の横には隣人の足があります。交互に丸太のように寝るのです。予約したから優先してくれるわけではないのです。人道上全員泊めるという決まりの反面サービス業ですから損益分岐点客数(Q)を超えた先の儲けが大きいのです。ですから普通の小屋は「要予約」とはいわないのです。この塩見小屋はあえて言うので、不思議に思い、納得できないと黙っていられないいつもの癖で「なぜ予約をさせるのか?」と聞いてみました。聞いて見るものです。予約した人には布団一枚分のスペースを絶対確保するのです。だから定員を超える分の予約は客数(Q)を落としても断るのです。もちろんそれでも泊まる人や僕のように自分の都合で泊まる人も泊めないと凍えてしまいますから泊めてくれます。その代わり普通の山小屋と同じで、どんな窮屈も我慢しなければなりません。それでも予約した人は布団一枚に悠々?と寝ることができます。
 天候が悪化してキャンセルが出ると、そのまま売上減になります。予約していないひとで真面目なひとは、僕のように押しかけたりしないで、あきらめて手前の小屋に泊まってしまいます。今まで数々山小屋に泊まってきましたが、これほどのお客様第一主義の小屋は初めてです。これでは他所の山小屋に比べてさぞかし儲けは少ないだろうと職業病のお節介が出てしまい、いくつか提言をしました。
 ①まず折角のお客様第一主義が登山客に伝わっていないので、
   予約者は「どんなに混雑しても布団一枚分を確保する」ことを
   登山客に知らせる努力をする
 ②予約した方からは予約料を事前に千円振り込んでもらう。
   (振込み票を持ってきたらその分を差し引く)
 ③僕のような予約なしの登山者の料金を千円値上げする。
  予約をすれば余裕を持って寝る事ができるし、予約しない無計画な登山者より
  千円安く泊まれるので二重の得があります。キャンセルしたときは千円を
  あきらめればいいのです。
  日本百名山の一つ塩見岳頂上直下標高2、766㍍という地の利のよいところに
  あって、老中登山が多い今日、きっと登山者も山小屋の経営者も、
  お互いがハピーになれると思うのです。

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コメント

コメントありがとうございます
<雑草さん>
確かに山小屋の経営者、管理人には山好きの方が多いですね。しかし一部は金儲け主義に陥ったり、後継者が無くて、株式会社形式でいくつも経営しているところがあります。塩見小屋のような小屋は珍しいです。しかし、雑草さんのお客様も同じですが、丁寧に、精一杯工夫して伝えないと、自分の想いは伝わらないのではないかと思います。しかも押し付けや嫌味にならないように、お洒落に、そして口コミで伝わっていきます。
<雲水さん>
写真を褒めていただきありがとうございます。うれしいです。ミノルタの最後の傑作DiMAGEA200を使っています。マクロ+広角28~望遠200まで一本のレンズで使えて、しかも600gとはデジタルでなければできない芸当です。ソニーに買われてしまい残念至極です。
 登山者もモラルの低いひとも多くて、山小屋の経営を成り立たせて、そのネットワークで自然を管理していくことが現実的な選択ですね。山小屋がないと老中も山をあるけませんから。トイレの前のお賽銭箱に100円入れるのを惜しむ登山者も多いのです。そのくせ「臭い」「汚い」と文句をいっています。女性に多い症状です。
 山を登る若者はとても少ないので、山小屋も団塊の世代が登るあと10年、その後は登山客は激減するのでしょう。

投稿: 懐中電灯 | 2006/08/18 20:41

自然を代表する山、そこに人為的な経営が入ってくる、自然の不自然化を感じます。とはいえ、不可避な事ですから、懐中電灯さんの助言を取り入れて、佳い経営をして欲しいものです。

いつもの事ながら素晴らしい写真ばかりですね。毎回とても楽しみにしています。将に玄人はだし。「明賀写真館」と銘打ってマイドキュメントに保存し利用させて頂いております。これからも大いに期待しております。

投稿: 雲水 | 2006/08/18 14:31

塩見小屋の経営者も登山が好きな方なのだなと想像します。自分が山小屋に泊まった時、塩見小屋で見た登山者の様子から「予約」を思い付かれたのかなと思いました。
 確かに商売としてしているからには利益に繋げもっと良い山小屋にして頂きたいです。
登山者へのアピールとして一番効果的な方法とはどのような方法なのでしょうか?

投稿: 雑草 | 2006/08/18 08:14

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