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2006/11/30

勝ち者は約束を破る?(1)強者と「勝ち組」の分かれ目

 僕の持論は「強者と弱者」という視点と「勝ち組と負け組」という視点を分けることです。「弱者」と「負け組」を同一視して欲しくないのです。「弱者」は己の弱さを自覚した者ですから「敗け組」にはなりません。なるとすれば想像を超える勝ち組の暴力のとばっちりを受けたときです。「負け組」は「勝ち組」同士の戦いに負けて、自ずから「負け組」になるのです。
 自民党の復党問題も第一陣は11名で終わりました。残りは郵政解散の落選組の復党です。しかしこれが「弱者である庶民」が、期待して代理人として選んだ「強者であるはずの政治家」の姿です。これが「強者」と「勝ち組」を勘違いしている、今の日本を象徴する悲しい出来事です。
 

 「勝ち組」と「負け組」の分け目の決断でした。現在のところ平沼赳夫氏が「選ばれた強者の一分」を通しました。11名の政治家はもともと「強者」ではなく、単なる「勝ち組」の一人に過ぎなかったのです。だから前言を翻し土下座をして、己の悔し涙も忘れて、勝ち組から負け組へと立場を移すことになったのです。さて残る落選組はどんな意思決定をするのでしょうか。
 明治維新を成し遂げた薩長の下級武士と貧乏公家が中心になって、新政府の政治を司ったわけですが、まだ政権も固まらない維新から三年、1871年に岩倉具視を団長として、大久保利通、木戸孝允、伊藤博文たちが、遣欧使節団を組み一年半かけて、地球を東回りにアメリカ→イギリス→フランス→オランダ→ドイツ→アジアを見聞して帰国しました。
 政権も固まらない時期に政府の枢要を占める政治家が一年半も日本を留守にしたのですから、腹の据わりようも尋常ではありませんね。時あたかも産業革命の真っ只中、西欧の政治、産業をつぶさに見聞し、帰国途中にはその西欧諸国に植民地として支配され、虐げられているアジアの人々を見て、西欧諸国の帝国主義の猛威を肌で感じたにちがいありません。初期の目的は不平等条約の改定でしたが、アメリカに一蹴され、目的を見聞に変えたようですが、その目的は十分達せられたようです。
 不平等条約改正を説く使節団は、ドイツで鉄血宰相と綽名された、ビスマルクと会うことになります。その当時ドイツはプロイセン王ウィルヘルム一世が西ヨーロッパでフランス、オーストリアを破り、ドイツ統一を果たしたばかり、ビスマルクはウィルヘルム一世に右腕として仕え、ドイツ帝国を献上した初代宰相です。それも就任は1871年ですから就任したばかりのバリバリです。
 そのバリバリ、ビスマルクは使節団に「強い国はたとえ条約を結んでも、自分にとって都合のいい条約は守るが、都合の悪い条約は守らないものだ」と忠告(脅し?)したそうです。弱肉強食の帝国主義の隆盛期を代表する言葉ですが、その言葉がいまでも生きていることはイラクの現状、プーチンの専制統治、そして小泉元首相の最近の小泉チルドレンに対する”非情”な言動を見れば一目瞭然です。(続く)
 

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コメント

コメントありがとうございます
<keyさん>
仕事柄中小企業の若い経営者、後継者との縁も多いので、
常にこのことをお話しています。「弱い」を自覚することと「負け」認めることはまったく別のことです。
「強者との距離を保て!」
「依存するな!」
「自立した存在であれ」
これが弱者が「負け組」にならない唯一の方法です。
「乱読のすすめ」にご紹介した「フラジャイル」の中に「弱者の一分」を垣間見ることができます。

<自立とは> 
1.自社で自社の商品に価格をつけることができるか
2.自社のブランド(価格以外の選ばれる条件)
3.自分の首を自分で切れるか

投稿: 懐中電灯 | 2006/12/08 08:32

こんにちは! コメントありがとうございました。

ブログを書いている途中でココログメンテナンスに入ってしまったそうですね...
私も以前は何度か書いている途中で消えてしまい、悲しい思いをしたことがあります。このところは、テキストエディタで書いておいて、それをコピー&ペーストして投稿するようにしています。

>僕の持論は「強者と弱者」という視点と「勝ち組と負け組」という視点を分けることです。

このような話を伺うまでは、両者の違いをそれほど明確に意識したことがありませんでした。確かに別ものですね。ひとつ新たな視点をいただいた気がします。

投稿: Key | 2006/12/07 20:28

コメントありがとうございます。
<うるしさん>
 そうですね。倒れるまで働く、特攻隊や戦艦大和の最後も同じですね。結果はわかっているのに、その被害を受けるのは弱者です。
「勝ち組」の特徴は負けを赦さない、認めないんですね。結果「勝ち組」と思っているひとは、いつか「負け組」になるのだと思います。「無敵のXXX」も最後は負けています。強者は戦わなくても、自ずから強者です。強者とは弱者を認める者だと思います。

<泰山北斗さん>
強者はノブレスオブリージェがわかる人です。弱者を認めるひとです。約束は守る人です。弱者にとって、強者と「勝ち組」の判別が難しいのです。つい頼りたくなります。「勝ち組」はそこを付け込んできます。ですから弱者は常に強者と一定の距離を保っていないといけないのです。豹変して餌食にならないためにです。
 

 

投稿: 懐中電灯 | 2006/12/02 22:55

ブログのコメントありがとうございました!
やりたいことに専念する・・・すごくシンプルですけど、心に響きました。素敵なことですね。。

勝ち組は約束を破る・・・最近、まさにそれを感じていたところです。ビスマルクの言葉じゃないですが、都合のいいことは守るが、そうでなければ破る。先月までは来月の10日には支払ってあげるよ!なんて言いながら、いざそのときになったら借入できなかったから今は払えないよなんて。そう考えると「約束」の意味を曖昧に捉えていたほうがいいんでしょうか。

投稿: 泰山北斗 | 2006/12/01 14:13

懐中電灯さんの「勝ち組」「負け組み」に分けること事態私は普段考えたことがありませんでした。私は40年近く、本社の営業部門におりまして、どうすれば勝てるか、という面だけを追ってきたためだと思います。負けることは許されなかったのです。最近の労働環境は問題がありますが、やはり負けることは許されないという発想が、異常な労働環境をつくったのではないでしょうか。私もずいぶん働いたつもりですが、6時を過ぎれば、たいてい酒場で議論をしていました。帰宅は遅かったですが・・・・

投稿: 漆山 治 | 2006/12/01 07:35

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