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2007/01/13

顧客満足の循環(2)満足がすべて

 事例としてはあまりにタイミングよく、不二家の不祥事が明るみに出ました。担当者の「一日くらい」という判断ミスといっています。経営者は「顧客満足(CS)」「お客様第一」と唱えながら、一方で、「ムリ、ムラ、ムダ」の排除、能率、効率、生産性の向上を唱えます。
 前者は外向きの標語、後者は内向きの標語です。我が家では僕が毒見役ですから、「『一日』そのくらい大丈夫」と臭いを嗅いで、舐めてみて食べてしまいます。しかし、「お客様第一」を理念を掲げていたら、お客様に出すものはそうはいきません。
 ところが今回の不二家では社員は、僕と同じ内向きの標語で判断してしまったのです。チラッと経営者の顔が浮かんだことでしょう。その顔にははっきりと「ムダの排除」の文字が書いてあったに違いありません。
 なぜ企業は理念を掲げなければいけないのか、社員が右か左か迷ったとき、やってはいけないことを経営理念に照らして判断するためなのです。「経営とは捨てること」、「捨てる勇気」が必要なのです。不二家にとって、今回の件はきっと氷山の一角でしょう。すべては経営者の責任であって社員の責任ではありません。
本題に戻りましょう

<固定化>→<お客様の満足>
なんのてらいもなく、「顧客の囲い込み」「顧客の固定化」と声高に叫ぶ経営者がいます。チラチラと、法衣の下の鎧が見えています。お客様が神様なら神棚に囲い込んで、飾っておけばいいのですが、お客様は王様なのです。王様を囲い込んだりしたら、殺されてしまいますから、「お客様は王様だ」とわかっていれば、決してこんなことは言いません。
 継続(リピート)して買っている様相を固定化というのです。固定化を考えるのではなくて、どうすれば繰り返し購入していただけるかを日々考えることです。
 お客様も繰り返し購入している自分を振り返って「そうだこの店俺のお気に入りなんだ」と己の満足を確認するのです。だから時々浮気もするのです。己の伴侶はともかく、お客様の浮気は己の確かさを確認するための必要悪だと、おおらかに認めるくらい自信を持ちたいですね。えてして自分は浮気をしても、相手の浮気は許せないものですね。

<お客様の満足>→<利潤の源泉>→<長期維持発展>
 この繰り返し購入していただく売上の中に企業の利潤があります。そして利潤がなければ企業は倒産してしまうのです。利潤があって始めて企業は長期に維持され、発展していくのです。利潤は経営の目的ではなくて、長期に維持し発展するための手段なのです。経営とは最大利益をあげることではなくて、存続可能利益の確保なのです。不二屋はあの牛乳を捨てていたら、倒産したでしょうか?「たった一日という愛社精神」が雪印のように存続が許されなくなるような事態に至らないとも限りません。

<お客様の満足>→<社員の満足>→<活性化>→<創造性の発揮>
 お客様の満足する姿を見て、社員は満足します。「お役立ち」がスタートだからです。満足すると、元気が出てやる気になり、頭も活性化して、新しいことにチャレンジしたり、創造性が発揮されます。「社員の満足をなによりも優先する」と語る経営者もおられますが、ご本人もお気づきでないのか、わかっていて嘘をついているのか、少し変です。お客様の理不尽な要求から社員を守るという部分的なことでいえることです。そういう意味では、「満足を理解できない強欲な客様」からは選ばれないようにすることも大事です。
 プライシングや販売チャネルの選択、広告などマーケティングでは、己のお客様は誰なのかを定めることが重要です。お互いに「選び、選ばれる」関なのです。いつも安売りをしている企業には、価格に敏感なお客様が集まってきます。自分が引き寄せているからです。ですから、「あそこは安いからいいよ」と口コミされたらアウトです。「少し高いけどいいよ」と口コミしてもらえたら、ベストですね。この少しが大事なのです。

<創造性の発揮>→<お役立ち>←<長期維持発展>
 当然のことですが、企業は存続していてはじめて「お役立ち」も継続ができます。そして、「諸行無常」
「行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」
 日々創造性を発揮することで、新技術、新商品、新サービスと新しい「お役立ち」が循環していきます。
 夕張市の問題は為政者ばかりが槍玉に上がっています。もちろん地域のリーダーとしての責任は免れませんが、石炭産業の衰退という変化の渦中で、市民もその変化に対応してきたのだろうか?ということも考えねばなりません。弱者が単に、強者に依存し続けるなら、それは「負け組」へ一直線です。
 格差の問題も、個人の立場で「お役立ち」という視点から、考えて見ることも必要ではないでしょうか。一度胸に手を当てて「本当に俺は、他人の役に立っているのだろうか?」と自問してみると、一筋の光明が見えてくるかもしれません。

 

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コメント

コメントありがとうございます
<アントニオさん>
 勝手気儘というのではなく、いつも選択の自由を持っていたいという側面と、繋がっていたいという側面がありますね。
 目覚めはゆっくりがいいですね。
<雑草さん>
「お役立ち」っていい言葉ですね。
<yumenosimaさん>
 顧客管理という言葉が流行ったので、管理しては駄目といってきました。
「神様はすべてこちらのことを知ってくれています。」が
「王様は自分のことを知っていて欲しい」んです。だからしいていえば「顧客情報の管理」です。
 メーカーの信頼度ではなく、売り手の信頼度が、商品の信頼度の時代ですね。だから自分を磨く時代でもありますね。

 

投稿: 懐中電灯 | 2007/01/14 23:59

かって、顧客管理が繁盛の必須条件といわれたことがありました。
必死で顧客名簿を作った時代がありました。

年賀状や誕生日祝い、特別のお知らせ・・・
など、お客の固定化を進めてみたことがありましたが、
町で避けられているような雰囲気を感じるようなことが続きました。

今はほとんどやっていません。
その分、商品力に懸けています。
≪囲い込み≫から≪お客の満足≫に切り替えました。
そうすると、
どこにでもある商品ではいけないことがわかりました。
日々≪お役立ち≫している商品は
自分が納得できるもの、
つまり独自商品、オリジナル品に変わってきました。
個人ブランドでも堂々と通用する時代になってきました。

投稿: yumenosima | 2007/01/13 19:40

「お役立ち」自分は役に立っているのか?
行動の指針になる言葉ですね。
今の自分を省みて?が浮かびます。

投稿: 雑草 | 2007/01/13 08:27

良くお客様を囲い込むとかいいます。前からおかしな言葉だなと思っていました。
誰も自分を会社に囲い込まれたいなんて言う人はいません。
そうなんですよね。お客様は王様。勝手気ままな王様。
そんな王様を囲い込んでしまったら反逆をくらってしまいます。
いかに多くの王様に店を囲い込まれるか?
そんな発想を大事にしています。

12月は多くの王様の来店がありました。
1月はそんな王様も家で居眠りをしているようです。
そろそろゆっくり起こそうかなと思っています。

投稿: アントニオ | 2007/01/13 08:19

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