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2007/03/19

ホリエモンの有罪判決から学ぶ

ホリエモンに2年6ヶ月の実刑判決が出ましたね。マスコミ報道では判決が重いという意見もあるようですが、僕は求刑の四年でもよかったと思っています。過去日本の経済事件は、罪が軽すぎるように思っているからです。過去の判例と比べて重いといっていては、何時まで経っても改善しませんから、過去にとらわれずしっかりした判決を出して欲しいと思います。
 しかし好むと好まざるとに関わらず、世の中はますますマネー偏重になっていきます、経済事犯はますます増えることはあっても減ることはなく、被害金額、被害者の人数ともに拡大していきます。

 ホリエモンの罪を問うからには、日興コーディアル証券やカネボウ、三洋電機など等、数多くの粉飾決算も罪を問われてしかるべきです。日興コーディアルは証券市場の公正を守り、品質保証をするべき立場の会社です。カネボウも長年に渡って粉飾を続けてきた会社です。ホリエモンや村上ファンドを影で操ってきた、日本の政財界の人々も弾劾されてしかるべきですが、残念ながら日本の舵取りをしている、政、官、財のエリートの方々から、倫理が失われてしまった今、それも期待することはできません。庶民は自分で自分の身を守る以外にないのです。
 「勝ち組と負け組」という区分けと「強者と弱者」という区分けを一緒にしないで欲しいと、常々申し上げています。

「強者」-「ノブレスオブリージェ≒武士道」=勝ち組
「弱者」-「自立心」=「負け組」

 弱者である庶民は「政府が悪い」「世の中が悪い」とただテレビの前で罵っているのではなく、自らを守る強固な自立心を持ち続けないと、次々と負け組に落ちていってしまいます。格差が拡大する世の中で、一度落ち込んだらそこから抜け出すのは容易ではありません。
 ライブドアの株式に退職金や老後のための貯金を次ぎ込んで、老後の生活資金を失ってしまった方もいるようです。同情はしますが、株式市場とは本来そういう危ない場であり、粉飾決算は悪いことではありますが、起こりうることだと用心して、投資しなければいけなかったのです。ライブドアに集中投資した方々は、ホリエモンと一緒に悪い夢をみたのです。だからといって泣き寝入りしないで、裁判でしっかり戦って勝つことを念じています。
 粉飾決算をさせないために存在するはずの、監査法人が粉飾決算を幇助しても、その主体である公認会計士は罰を受けることなく、別の監査法人へ移籍したり、看板を書き変えてそのまま仕事を継続しています。さらには企業にコンプライアンスを徹底させる、日本版SOX法なるものが発効しますが、その指導をし、収入を得ているのも、公認会計士を中心とするコンサルティング会社ですから、焼け太りになっているのです。
 株式投資をする我々庶民は、株式上場企業の粉飾決算は、これからも起きるという用心が肝心です。 「一攫千金」「濡れ手に粟」は己の欲が見る悪夢に過ぎません。我々庶民はいつもアリギリスでいきましょう。
 

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コメント

コメントありがとうございます。
<yumenosimaさん>
 封建社会の江戸時代では、下級武士であっても階層としては、エリート層であって、その矜持が大事だということですね。
<アントニオさん>
 日本でいま噴出してきた格差は、戦後60年築き上げてきた経済発展の見えないところに溜まったマグマが、バブル崩壊後15年構造改革によって噴出しているのではないでしょうか。この15年に出来たわけではなく、成長の影で日本人全員が、お互いに”一億総中流”幻想で、覆い隠してきた、その幻想から醒めたのが今の状況ではないかと思っています。地方経済の格差、商店街の崩壊、団塊の世代がこれから味わう格差、その子供、孫が味わう格差は、国や地方が抱える1、000兆円の借金、そのおこぼれに与った人々と、与れなかった人々の格差ではないでしょうか?
 だからこそ、本来政治がそのマグマ噴出を和らげる施策を打つべきだったのに、この15年マグマ溜まりにボーリングで穴を穿ち噴出させてしまったのだと思います。
 アントニオさんのいうように資本主義が弱肉強食だとすれば、弱者も食われない、知恵が必要ですね。アフリカのサバンナでは弱者は群れを作って移動し、どの個体が食われて種として生き残る仕組みを作っています。戦後60年日本人の多くは「己が弱者であること」を自ら麻痺させてきたのではないでしょうか?個体は弱者であることを認識してきたら、こんなことにはならなかったのではないでしょうか?
 子供の頃ライオンが蟻に負ける場面を漫画で見たことを強烈に覚えています。蟻だってまとまればライオンに勝てるという応援画ですね。
 僕は資本主義が弱肉強食なのではなくて、人類というやっかいな生物が、人類誕生以来、大自然の法則から抜け出して弱肉強食を志向しているのだと思っています。その証明が地球環境の破壊ではないでしょうか?
 

投稿: 懐中電灯 | 2007/03/25 10:26

堀江さんは意識上に出しえていけないマネーの本質的、アメリカ的なるものを僕ら日本人の集合的顕在意識へ白日のものにさらしだしすぎてしまったと思います。僕ら日本人の潜在意識下にはマネーなるもの、マネーを取り扱う商人に対して手放しで受けれることができないものがあると感じます。金勘定はこそこそと裏でやることが正しく。表だって金がすべて、儲けて何か悪いなどど、思っていても言っていけないのです。
終戦後、好む好まずと僕らは資本主義というもの、経済発展こそ明るい未来があるという共同幻想を持ってしまいました。
僕は資本主義イコール勝ち負けの世界、弱肉強食の世界だと思っています。マネーは稼ぐものではなく、奪うもの、マネーの移動に過ぎないのです。そしてその最たる象徴的世界は株式市場です。欲望渦巻く世界中の投機的マネーが吸い込まれるように集まってきます。
その世界では善も悪もありません。
彼のその世界で目的のためには手段を選ばないというマキャベリストでした。しかし
それをあまりにも派手に白日の元に出しすぎてしまったようです。村上さんしかりです。昨日上場廃止にならなかった日興コーディアル証券こそ、資本主義の深い闇が隠されているように感じます。それに比べれば彼など、かわいいものです。

投稿: アントニオ | 2007/03/24 13:36

ノブレスオブリージェの意味、ありがとうございました。
殉ずることの美学、崇高でありたいと思います。
武士の一分、守りたいと思います。

投稿: yumenosima | 2007/03/23 19:28

コメントありがとうございます
<yumenosimaさん>
「ホリエモン有罪」で溜飲を下げては、権力者の思う壺ですね。沖縄で自殺?者を出して、ホリエモンをそこそこ罰して大団円というところでしょう。
 強者は己の、強さゆえに常に他者を傷つける危険性を孕んでいるわけですし、弱者は弱さゆえに、他者に依存してしまいがちですね。人間はそこを支えるために、倫理、宗教といったものを作り始めたのではないかと思っています。今では宗教そのものが争いを引き起こしています。
 マネー自身に善悪白黒があるわけではなく、それを扱う己の価値観が、その扱い方の中に出てきてしまうのだと思います。そのためにも己の価値観を磨いておかなければいけないのではないでしょうか。
 マネーを唯一の物差しにしないように、日頃から幾つか物差しを持つ癖をつけておく必要がありますね。その物差しの多様性を価値観の多様性というのではないでしょうか?しかし人間社会はますますマネーが唯一の物差しになりつつあります。
 ノブレスオブリージェは古来ヨーロッパでは日頃エリートとして尊敬されている人々(強者)はいざ戦いになると、率先して戦い、死亡率も高かったといわれています。その危機に臨んで率先して、身を挺する心構えを、ノブレスオブレージェといったようです。古代ローマではローマ市民は全員が戦士であり、帝国下の従属国が侵略されれば、従属国を守るために戦ったのも、ローマ市民だったそうです。その中から元老院が選ばれ政治を司ってきたのです。近代の帝国主義とは似ても似つかぬものですね。
 ノブレスオブリージェは日本の武士道に近い精神構造ではないでしょうか。共に封建制が成熟する過程で育まれた精神です。「武士の一分」ですね。梅棹忠夫さんが「文明の生態史観」に書いています。ユーラシアの西の端(西ヨーロッパ)と東の端(日本)が、遊牧民の暴力に蹂躙されずに歴史を積み重ねることで、封建制が成熟し、その中間層の富の蓄積が近代化を成し遂げたのです。
 その近代化に成功した欧米と日本が近代化でマネーを得ることで、失っていくものも多いですね。
 ロシア、中国などユーラシアの大国が不安定なのも無理からぬことですね。専制国家からいきなり民主主義に移行するには無理がありますし、封建制の成熟を見ていないだけに、日本以上に、急速にいきなり、マネー偏重にいってしまうのではないでしょうか?
  

投稿: 懐中電灯 | 2007/03/21 12:19

既特権者が権益を離さない世相の中で、堀江某が庶民の溜飲を下げた面はあると思います。どちらも倫理を伴わない点では同格です。

グローバル経済の中で貨幣の跋扈を悪と見るか善と見るかと私どもは考えてしまうのですが、そもそも前提となるべき倫理を喪失させるための仕掛けがたくらまれていると感じてなりません。
そうみると、この裁判も茶番なのかもしれませんね。

勝ち組に人の道を諭し、弱者の自立を支援するのが倫理であり、強者でしょうか。
「ノブレスオブリージェ」の意味を機会を見てお聞かせください。

投稿: yumenosima | 2007/03/20 13:25

コメントありがとうございます
<雑草さん>
地球誕生以来、世の中は理不尽なんです。だからこそ、その理不尽さを和らげるために、力のあるものが倫理観を持つ必要があると思っています。

<ワイガヤ童子さん>
 マイミクのエコふとんさんが「夢は叶わないからこそ、夢なんだ」といいました。夢、目的、目標、霧が晴れたような気分に浸りました。
 植村直己のような冒険家にとって、「厳冬期のマッキンリー」はやはり、目標であって、目的でなかったのでしょうね。夢を実現するべくさらに分け入っていったのでしょう。言葉や数字などに出来ないものが、夢なんですね。
 僕は軽登山ですが、一人で三、四日縦走します。最近は縦走する人が少ないので、行き交うひともまばらで、適度な孤独感がとても心地よいのです。
 お金や権力や地位を求めて頑張るのも、野山を求めて歩くのもあまり違いはないように思います。”What"(なに)を求めるか”癖”とか”習慣”といった程度と軽く考えたほうが気が楽になります。
 ただお金とか権力、地位を求めて登って行くと必ず、人と人との間の”気”の奪い合いになっていきます。自然からは一方的に”気”を貰うだけの関係です。
 ホリエモンが「生き急いだ」といっていますが、僕の定義では、かれは「死に急いだ」に過ぎません。

投稿: 懐中電灯 | 2007/03/20 09:09

何時もご教唆ありがとうございます。
堀江被告を公共(?)の電波を不届きにも占拠して擁護し、
世論をねじ曲げようとする巨悪は、田原(総)の外に、ゴマ
のハエの如く五月蝿いチンピラ弁護士の橋下某がいます。

この男生れが大阪で、名門北野高校でラグビーをやったと
いうのが自慢のようです。共通項を持つ小生から見れば唾
棄すべきマスコミ芸者(幇間?)と言えます。6人(?)の子持
ちの故にか、「ゼニ」の問題になると異常に興奮するのが
滑稽です。

「万事金の世の中」へと傾斜を強める世情を見るに、5人の
孫たちの行く末が案じられます。昨夜のNHK TV「植村直己
のドキュメンタリー」には胸を打つものがありました。

43歳で「厳冬期のマッキンリー初登頂成功」後、忽然と姿
を消した稀代の冒険家の生前の言葉が、あの人懐っこい笑
顔とともに紹介されていました。“成功するか、失敗する
かは二の次。自分のやりたい夢の実現に向けて、不断の努
力を続けることにこそ生きる意味があると思う”と・・・

彼の著【青春を山に賭けて】を読み直したくなった。
文庫本は絶版のようだが、AMAZONで或る方の書評を拝借し
た。

「・・・読むほどに植村の人柄の良さが伝わってくる。
 他人のために動くことが出来るし、骨惜しみしないし、
 愚直なまでに真面目だ。実に魅力的な人間だと思う。
 また、だからこそ、周りの人たちに助けてもらい、冒険
 を続けることが出来たのだろうとも感じた。ところが、
 植村は決して人間好きではない。単独行を好む男なのだ。
 ここに人間の不思議がある。」

山登りは懐中電灯さんの言われる「アリギリス」精神の発揚
が問われる最たるものと思う次第です。

投稿: ワイガヤ童子 | 2007/03/19 11:41

世の中は理不尽だと嘆いていても何も始まりませんよね。自分がもしその様な立場になった時その状況の中でも自立心をなくさなければ負け組みにはならないのですね。

投稿: 雑草 | 2007/03/19 07:53

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