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2007/05/13

岩井克人著「貨幣論」を読む(2)「日本への奇襲攻撃」

<日本への奇襲攻撃「リメンバー・パールハーバー」>
 アメリカは1971年8月15日突如ドルと金との交換を停止しました。それまでは米ドルは一定の割合で金との交換を保証していました。長年貿易赤字と財政赤字のいわゆる双子の赤字で米ドルを世界に垂れ流し(供給?)してきたアメリカは、金の流出を恐れ、兌換を停止したのです。世に言うニクソンショックです。8月15日という日付をみても日本を狙い撃ちした事件であることはいうまでもありません。同時に一ドル360円に固定されていたドル円レートは変動相場制に移行し、一気に300円台に突入しました。

 同時に10%の輸入課徴金課すことを宣言したのです。そのために輸出企業はもちろん日本中がパニックに落ちいったのです。変動相場制に移行したこともさることながら、辛苦粒々日本人が輸出で溜め込んできた米ドルは大幅に減価するとともに、金と交換する約束を一方的に破棄したわけですから、紙切れ同様になってしまったたわけです。
 当時の日本以外の欧米先進国イギリス、ドイツ、フランスは外貨準備の50%程度は金で保有していましたが、日本は金を10%程度しか保有していなかったのですから、90%の米ドル資産が減価し、紙切れ同様になったのです。アメリカは日本を狙い打ちにして、徳政令を発したのです。だからニクソンショック1971年8月15日は「リメンバー・パールハーバー」日本への奇襲攻撃だったのです。
 後から考えれば、一ヶ月前7月15日にニクソンは中国訪問を公表し、世界中を驚かせています。米中国交樹立は翌年72年2月のことです。日中戦争で蒋介石をアメリカが支援した状況に似ているといえるかもしれません。
 遅れること半年72年9月田中角栄首相が中国を訪問し、日中国交を回復しました。さて 
第二の敗戦記念日も8月15日になるのでしょうか。
<つづく>

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コメント

コメントありがとうございます
<よくろぼさん>
信用経済は売り手からみると「信用」ですが、買い手は、借金(未来の収入=未来の時間=命)で買うのですから、借金という他人のエネルギーを先取りをして、今を生きることでもありますね。ビジネスの借金は他人のエネルギーを借りて、生産活動をするのですが、個人の借金は、未来を先取り消費するのですから、寿命を縮め死に至るわけですね。自己破産は個人の死を意味していると思います。
 僕は常々若者に、「クレジットは合法ドラッグだ」と警鐘を鳴らしています。シャブ漬けになったら廃人ですから。
しかし信用経済は、電子マネーへと進み、クレジットとシームレスに繋がっていくと、さらに深刻な世の中になっていくと思います。下流に流されているひとに、さらに棹を差すようになるのではないかと危惧しています。まさにパンドラの箱ですね。
 生物は誕生以来バブル的性質を内包しています。それを制御してきたのが食物連鎖ですが、食物連鎖の輪から脱するという術を知ったとき、人類はパンドラの箱を開けたのではないでしょうか?

投稿: 懐中電灯→よくろぼさんへ | 2007/05/17 11:18

初めて読ませていただきました。
学生時代へ突如放り出されたようなショックでした。
さて、的を得ていないかもしれませんが 
私たちの身近で「自己破産」ということが 時々起こります。
法の下の正当な行為としての「自己破産」が 物流のあり方を根本的に変えて行きつつあります。
「信用取引」なる言葉が 死語となる日が近いうちに訪れるのかもしれません。
物々、通貨、貨幣、紙、PC・・・・・
過去へ戻ることは不可能ですが パンドラの箱を開けるという不幸も
あるのかもしれません。

投稿: よくろぼ | 2007/05/14 06:31

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