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2007/10/16

複式簿記に秘められた色即是空(2)複式簿記は二重記帳に始まる

2.複式簿記の二重記帳と「色と空」

 この会社という醜悪なる生き物の血液とも喩えられるおカネの流れをコントロールしている仕組みが複式簿記です。この複式簿記という仕組みがなかったら、資本主義はここまで発展しなかっただろうといわれています。その複式簿記によって作成された会計数値をベースに、会社は生きています。
 
複式と名づけられているように、おカネの動きは取引ごとに同じ数字をすべて、左(借方)と右(貸方)に二重に記録し、左と右の合計を照合することで正否を保証していく仕組みです。この二重記帳の中に「色」「空」が秘められていないだろうか、もし見出すことができれば、般若心経の説く「色相是空、空即是色」の「空」の思想を経営の中に、般若心経の教えを通して持ち込めるかもしれない?と思ったのです。

人間という生き物も、「永遠の命」求めて、富や権力に執着する醜悪な生き物です。その醜悪性が、この世に多くの問題を引き起こしています。しかしその醜悪さが、一方で進歩を生み出してもいるのですから、醜悪なものの力を和らげようとして、お釈迦様はその教えを、数々のお経として残してくれたのではないでしょうか。その数々のお経の中の、代表的なお経が般若心経なのです。お経の中のお経として、日本では宗派を越えて、多くの人々に親しまれています。
 
般若心経の「色即是空、空即是色」は、「生々流転」「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」「あらゆるものに永遠性はない」ということを気付かせて、「生かされている自分」を確認することで、時として自分をも傷つける、醜悪なるものの力を和らげてくれます。

経営者として才能に溢れ、個人的には日常的に般若心経を唱え、禅門をくぐり、心の修業をされている方も多いようです。しかしそのような経営者の下でも、会社は時として利潤追求を第一義として、起こしてはならない問題を引き起こしています。
 会社の会計数値の中にも「色即是空」が秘められていることに気付くことができれば、経営者個人の行いに込められた般若心経の教えが、日々の意思決定の中にも織り込まれていくのではないでしょうか。そんな願いをこの小論に込めてみました。

<つづく 3.複式簿記の仕訳と試算表>

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コメント

コメントありがとうございます。
<大平須美枝さん>
 雲水さんとのご縁ですか、雲水さんとはもう20年を超えるご縁になります。「名は体をあらわす」最近すっかり、悟ってきましたね。
 ところで本業のキャリア40年というのはある意味、とても危険ですね。本業以外何も知らないということの裏返しです。
 白い恋人も赤福も、不二家も同じで、食品として、食べるには、品質的にはなにも問題はない、だから返品を再生してもいいではないか。廃棄物も減るし、利益も出るし。
 ある面正しいようにみえます。捨てるのは地球環境にマイナスですから、エコ的だ。これは同じようにみえて我田引水。
 返品のない、売り切れごめん程度作ればいいわけですね。返品されるほど作る心の中に「エゴ心」はあっても「エコ心」がないわけです。
 お菓子作りには素人でも社会や周囲のことに敏感な主婦(女性)の意見と40年のキャリアが融合すると、いいもの(売れるもの)ができますね。頑張ってください。

投稿: 懐中電灯→大平須美枝さん | 2007/10/19 09:31

ご丁寧なアドバイスをありがとうございます。
さすが専門家ですね。ズバリ核心を付かれたような気がします。
なんとしても利益を上げなければ無添加のお菓子は提供できなくなりますものね。ですから絶えず新しい商品の開発や工夫をしていかなければなりません。珍しいお菓子の情報があれば取り寄せたりと連日話し合をしています。
40年のキャリアの職人もいますが、素人の主婦もいます。かえって彼女たちが意外な発想をしてくれたりして、なかなか面白いです。今から何かヒット商品をを作りたいと模索中です。
何よりも健康に良いお菓子をとこだわり、お砂糖を使用しない商品もいづれ作りたいと考えています。

それと心療内科のこともよくご理解をしていらしゃいますね。
まさに患者さんは仕事に関わるストレスが大半でした。しかし根本が解決されていなければなかなか回復は難しく結局は対症療法しかないですね。でもカウンセリングを通じて精神的に逞しく変わっていく方もいました。
私は雲水殿からの紹介です。彼が鹿児島にいる時に気功教室で一緒でした。

岩井克人のご本も早速手に入れたいと思います。
本当に未熟な私ですが懐中電灯さんから少しでも教わりたいと思っています。まさに暗闇を照らし出してくださる懐中電灯のお役目そのままの方ですね。ご多忙なお方ではないかと思いますが、ご丁寧なアドバイスを感謝します。ありがとうございます。
今日はこれにて おやすみなさい!

投稿: 大平須美枝 | 2007/10/18 23:36

コメントありがとうございます
<大平須美枝さん>
「働きはじめて3年」とあったので、早とちりでした。3年といえば、むしろ悩む時期ですからね。それなのに僕のブログに感想をいただき驚いていたところでした。
 しかし随分違った分野に飛び出しましたね。「無添加のお菓子」をじっくり育ててください。「エコロジー的思考」は僕が30歳頃出会って、志向が激変した一冊です。大平須美枝さんの志向からもこの本を手にされることは理解できます。
 お店を経営するという視点では、岩井克人さんのものを早めに一冊お奨めします。「利潤とは差異である」という一言です。「無添加のお菓子」をつくり、販売するとすれば、そこに関わる大平須美枝さん自身も、社員も、そのよって立つ、経済的な面もそこそこしかり守られなければなりません。お店が成り立ってはじめて「無添加のお菓子」を提供し続けることができます。
 「無添加」は岩井克人さんの言うところの「差異」これを利潤にするには経営という感覚が不可欠ですね。
老婆心ながら

 森田正馬さんの本も大分読みましたよ。今心療内科の門をくぐる、多くの方は会社、仕事に関わるストレスが大半だと思います。そうすると、迎える方が、もっと経営や経済に強くなって、背景を十分理解したうえで、カウンセリングをしてあげればもっとうまくいくのではないかと日頃疑問に思っています。
 心療内科の分野が長かったそうですが、ひょっとすると、どんちゃんつながりのご縁でしょうか。
 

投稿: 懐中電灯→大平須美枝さん | 2007/10/18 12:45

お返事をありがとうございます。
若い方と書いてありましたが、大変嬉しい誤解を解いておきたと思います。
実は私は医療の分野で20年働いていました。それも心療内科で人を扱っていましたが、お世話になっている太極拳の先生が無添加のお菓子屋さんを作ると言うことで、まったく分野の違うところに転職しました。商売の分野で働き始めて3年目です。その分野では若いでしょうか?58歳からの転職ですね。
お店全体を任されてのスタートでした。無謀と言うか、ただ太極拳の先生のお人柄にほだされて引き受けたわけです。スタート当初は人の入れ替わりが激しく今年からはようやく人材が揃い手作りですから、健康で良い気の持ち主であって欲しいと願っていましたら、今はほぼうまくいっています。工房ではクラッシック音楽のBGMを聞きながら心を込めてのお菓子作りです。とても美味しいお菓子ですよ。
今日も「経営とは・・人生を営む」良いことを学びました。
幾つになっても学ぶことが多いですね。ありがとうございます。
まず立花隆 エコロジー的思考のすすめ を読んでみたいと思っています。

投稿: 大平須美枝 | 2007/10/17 22:41

コメントありがとうございます
<大平須美枝さん>
>一つの目的に淡々と力をあわせて向かっていくことから生る喜び
 
 社会人三年で、ここに書いてくれたような意識を持てるとは素晴らしいですね。我々老中は、遠目からでも、若い方のしっかり育っていく姿を拝見するのはとても、うれしいです。
 「経営」を広辞苑で引くと「力を尽くして、物事を営む」と書いてあります。ですから「経営」は会社経営だけでなく、個人の人生経営、家庭経営とすべて経営したほうがいいんです。例えば、結婚すれば、夫には夫の、妻には妻の「生きる目的」をお互い協力して達成していくといったことですね。仕事はそのための手段に過ぎません。
 「乱読のすすめ」は左の袖の紹介だけでなく、ブログにも書いて分類してあります。気が向いたらクリックしてください。お役に立てれば幸いです。
 ミクシィも使っていますが、若い方々に老中の知恵を提供し、若い方々のエネルギーと物々(?)交換させてもらっています。 
 
 

投稿: 懐中電灯→大平須美枝さん | 2007/10/17 09:00

こんばんわ!
乱読のすすめを楽しく読みました。
解説付きですので解りやすくて、興味のある本が何冊かありますので少しづつ読んでみたいなと思いました。ありがとうございました。
経済や経営とか自分には関係のない分野だと思っていましたが
身近にいる上司から経営のことをいつも聞かされますと無関心でいられなくなります。働き始めて早くも3年になりますが、最近はようやく人材が整って一つの目的に淡々と力をあわせて向かっていくことから生じる喜びを感じることがよくあります。経営者ではないからかもしれませんが、人一人が確実に技術、人間性も成長していく、何よりも自分自身が楽しく仕事ができるようになってきた事が嬉しいですね。

投稿: 大平須美枝 | 2007/10/16 21:52

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