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2007/10/29

複式簿記に秘められた色即是空(6)4K+1Kの連鎖の中に

  <図6.3つのKから4つのKへ>
Photo 6.4K+1Kの連鎖の中に
(1)三つのK 
我々老中世代、後に続く団塊の世代は「自分(個人)を犠牲にして」→「家族のために」、「家族を犠牲にして」→「会社のために」その果てに「顧客を犠牲にして会社のために」と滅私奉公的に働いてきました。図6.3つのKの流れです。日本企業の多くは、この流れで、産業社会の成長に乗ってきました。むしろこの流れにうまく乗った企業ほど発展したといっても過言ではありません。この流れでは、多くのものは、会社に滞留してしまって循環しないのです。

 会社第一主義の社員の滅私奉公という丈夫な堤防の存在があってこそ、大河となって流れていたのです。比内地鶏、白い恋人、赤福などの諸問題もこの大きな流れの堤防が、蟻の一穴から崩れ始めていたことに、経営者はまったく気づいていなかったのです。時代の変化に気づいていない経営者の悲劇、まだまだ続々とでてくることでしょう。しかしその影響をもっとも受けるのは、経営者ではなく社員です。弱者は勝ち組の欲のとばっちりを受けて呻吟することになります。今もニュースで比内地鶏を偽装した会社が社員全員を解雇することを伝えています。
(2)4つのKへ、そして第五のK

 ポスト産業社会、情報社会といわれる今日、図6の4つのKの循環を螺旋状に回していくことが肝心です。どこに穴が開いても循環は途切れてしまいます。「自分(個人)が大事」だから「家庭が大事」だから「会社が大事」だからこそ「顧客が大事」という循環です。なぜならば、“自分もどこかで誰かの顧客”だからです。4Kの螺旋的循環が大事です。
 さらに1989年のベルリンの壁崩壊のよるグローバル化は、国家、国境という第五のK

を意識しなければならない時代になりました。4K+1Kの時代です。

 この「4K+1K」については今年の一月にブログに書きましたから、詳細は下記ブログを参照いただくとして、先を急ぐとしましょう。

2007年1月6日<自分もどこかで誰かの顧客(1)4つKの循環>

http://net-ksk.cocolog-nifty.com/keiei/2007/01/post_ad07.html

2007年1月8日<自分もどこかで誰かの顧客(2)5つのKへ>

http://net-ksk.cocolog-nifty.com/keiei/2007/01/post_7ad0.html

2007年1月11日<顧客満足の循環(1)「お役立ち」がすべての始まり>

http://net-ksk.cocolog-nifty.com/keiei/2007/01/post_5df4.html

2007年1月13日<顧客満足の循環(2)満足がすべて>

http://net-ksk.cocolog-nifty.com/keiei/2007/01/post_178c.html

(3)生命の循環に習う
 
僕は無邪気に、ウォルマート流の経営を褒めるヒトに出会うとつい眉をひそめてしまいます。このヒトは「気づいていないのかなぁ」それとも自分も同じ「自己中」なのだろうかと想像するのです。“エブリディ・ロープライス”、一見、誰も反対のしようのない錦の御旗を掲げて、その錦の御旗の下に世界中から、より安いものを集め、地域のヒトを低賃金で使って、コストダウンを計り、利潤を上げています。「経営とは利潤の追求」という「自分さえ良ければ」では地域社会は疲弊していきます。地域とは町だけでなく、国という単位でも同じです。

もう一度「図5.資金の循環と義務と権利」を見て確認してください。3.次元で、従業員、仕入先、金融機関、株主のⅣ.次元につながり、Ⅳ.次元で顧客の3.次元とつながっています。
                <図7.生命の循環と4つのK>                 K_3 それが「図7.生命の循環と4つのK」です。「複式簿記の原理」は、意識するとしないとにかかわらず、個人にも家庭にも、眼に見えないところで、この原理が適用されています。

21世紀は、幸せに暮らしたければ、個人も家庭もこの複式簿記の原理に目覚めて、この循環を意識して生きることが必要です。国家を当てにしないで、家計簿も収入支出のP/Lだけでなく、貸借対照表を意識する時代です。

自然界の食もつ連鎖と同じです。プランクトンを食べた鰯をマグロが食べ、草を食んだシマウマをライオンが食べ、ライオンもまた蟻や微生物に食べられて自然に帰っていきます。

これを弱肉強食というヒトがいますが、それは間違いです。”食もつ連鎖”は大自然の法則であり、自然の摂理なのです。仏教で「捨身飢虎」といっているのはこの”食もつ連鎖”のことではないかと僕は考えています。

手塚治虫のブッダの中にも、預言者アシタが雪の中で倒れていると、狐や狸が焚き火を焚き、食べ物を探して助ける場面があります。ウサギは、自分では食べるものを見つけることができなくて、自ら焚き火の中に飛び込んで、自らを飢えた預言者アシタに差し出すのです。人間も含めてあらゆる生命がこの連鎖でつながっていることを教えているのではないでしょうか。 複式簿記も「お役立ち」という目線で、右と左に眼を向ければ、みんな自分の右手は相手の左手につながっているのです。 
 しかし、個人と会社と違うところがあります。個人のⅠ.次元は「いのち」ですから大自然の法則に繋がっていますが、会社のⅠ.次元は株券(モノ)を通して別の個人や会社の権利と繋がってしまっています。
 <つづく (7)色と空と>

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コメント

コメントありがとうございます
<yumenosimaさん>
 「お陰さま」は神仏の加護への感謝ですね。「色と空」の「空」も、この「生命が成り立っている」「宇宙が成り立っている」不思議、35億年前の微生物から今日までの歴史が、「人間の遺伝子に書き込まれている」不思議を「空」と名づけたと桑田二郎は解釈しています。「空」は神仏でもあり、「空」は瞑想で実感する以外のない、言葉で理解しても無駄だといっています。
 「空」をこう解釈すれば、「色即是空」「空即是色」も少し分かってきます。「空」の実感とは「お陰さま」の実感でもあると思います。
 わが一族の苗字も江戸の末期まで「冥加」だったそうですが、
 「神仏の加護がありますように」そう思うと欲張りな苗字です。親鸞によれば、「南無阿弥陀仏」は報恩感謝の祈り、「お陰さま」となりますね。

投稿: 懐中電灯→yumenosimaさんへ | 2007/11/12 16:42

「おかげさまで・・・」
という言葉がすごく意味深く感じられるこの頃です。
これは日常語ですが相手を特定しない、
自然の循環に感謝するおおらかな言葉ですね。
「もったいない」とともに
日本人の誇りとする言葉ではないでしょうか。

かっての地域社会はこの言葉が良く似合いましたが
企業社会では通用しなくなってしまいました。
グローバル化によって
「自分もどこかで誰かの顧客」をいっそう見えにくくしています。

個人のつながりと会社の権利、
次のお話の展開が楽しみです。

投稿: yumenosima | 2007/11/11 16:48

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