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2007/10/15

複式簿記に秘められた色即是空(1)会社は醜悪なる生き物という自覚

    <図1.複式簿記の原理と試算表>
Photo 1.   会社とは醜悪なる生き物という自覚
 足掛け30年企業の幹部社員研修を生業にしてきました。テーマは「経営とは?」です。 毎回冒頭に「人間が作った会社(法人)という仕組みは、「『永遠の命』を求める、極めて”醜悪な仕組み”だ」という自覚が必要だと申し上げます。
生きとし生きるもの個体としての生命には定められた寿命があります。人間も極めて自己中心的で、欲の深い生き物ですが、定められた寿命を持っています。日本人の平均寿命は80歳前後、どんなに長生きしても120歳がいいところでしょう。しかし人間が作った会社(法人)という仕組みは、会社を成り立たせているヒト(経営者、従業員、株主(資本家))やモノ(資産)を取り替えながら、大自然の法則に逆らって、「永遠の命」を生き続けていきます。あたかもフランケンシュタインのように。

 会社の死とは寿命という大自然(神か?)が決めたものではなく、会社を成り立たせているヒトたちの、意思決定(営み)の結果生じる”倒産”なのです。
 会社は定められた寿命がないゆえに「永遠の命」を求めてしまいます。そのために、ときとして、会社にかかわったヒト(経営者、従業員、仕入先企業、顧客)を悲劇に巻き込んでしまいます。
 東京大学大学院経済学部長岩井克人教授は著書「会社は誰のものか」の中で「会社(法人)とはヒトが株主として、会社というモノを所有し、そのモノであるはずの会社が、ヒト(法人)として振舞い、モノ(会社資産)を所有し、ヒト(従業員)を雇用し、契約の主体となるという二重性、モノとヒトという二重性を持った存在だ」と語っています。
 
「永遠の命」を求める会社という醜悪なるものは、あるときはヒト、そしてあるときはモノという、この二重性に根ざしたものです。株式市場とはその会社をモノとして売買する市場なのです。
 秦の始皇帝は、不老不死を願って徐福に妙薬を探させました。徐福は日本まで探しにきたという徐福伝説もあります。一方永遠の権力を願って、万里の長城を築きました。今日に残る長城の始まりです。今人間は、会社という仕組みで、不老不死を実現し、万里の長城に換えようとしているのかもしれません。
 紀州の人、南方熊楠の研究で知られるようになった、粘菌という生き物は、あるときはアメーバーのように分裂増殖し、又乾燥などで危機に陥ると、離れていた個体は集まってキノコのような植物になって胞子を飛ばして、変化自在に増殖を繰り返すのだそうです。個体が相互に、いかなる情報を発信して集合するのかいまだに解明されていないようでが、まさに会社とはこの粘菌のような生き物を目指しているのかも知れません。
 
明治時代に活躍した科学者にして、自然保護活動の先駆者、南方熊楠は、明治政府の神社合祀令に便乗して、森林伐採で儲けを企んだ政商から、身を挺して熊野の森林を守った、生態学の先駆者で知られています。今、熊野古道が世界自然文化遺産として残ったのは、南方熊楠の先駆的功績によるものです。南方熊楠が存在しなかったら、今、ごく当たり前のように存在している、吉野、高野山から紀州一帯に広がるあの、手つかずの大森林は、今頃、はげ山になっていて、台風の度に大洪水に見舞われていたかもしれません。   <つづく 2.複式簿記の二重記帳>                            

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コメント

懐中電灯さんへ
 返信ありがとうございます。
 もともと、複式簿記はイスラムの商人が考えたそうなので、どちらかというとデカルト起源の二元論が、元ではないと思います。
 むしろ、そのイスラム商人が何らかの形で、中国の「陰陽五行論」を知っていて、取引を「木、火、土、金、水および陰、陽」のように「資産、負債、資本金、収益、費用そして借方、貸方」に分けて考えれば合理的ではないかと考えて、複式簿記の体系を構築したと考えれば、複式簿記の中に「色即是空」を中心とした東洋的な循環思想が含まれていることが、無理なく説明できると思います。

 実際の話、模擬試験で過去問とかを解くときに、8ケタ精算表を作る時なんかは、簿記の考え方が、合わせ鏡になってすべてが連動し循環していると強く思ったりします。

 戦後社会の混乱の原因はほとんど、金や物を借方にして、貸方として、心や魂を設定するという考えを持たず、両者のバランスをいかに取るかという発想の欠落があると思います。
 
 あるいは、自分を借方とし、他者を貸方として考え自他のバランスをどう構築するかという、発想の欠落が。

 また、○はok×はだめという考えが。

 そのため、互いに○×を一方的に決めつけることしかしないイスラエルとパレスチナは際限なく殺し合いを続けるしかない。

 だから、そういうことを止めるためには、○か×かではなく、○も×も、そして○×は表裏一体で実は同じものなんだという、考えが必要だと思います。つまりそれが「色即是空」だと。

 そういうことを前提とした、新しい価値観を構築していくことが、この国と世界を立て直す第一歩になると思います。

投稿: hato | 2009/07/02 17:09

コメントありがとうございます
<hatoさん>
 素晴らしいですね。複式簿記に「色相是空」を見た人は少ないと思います。簿記の勉強中に見てしまったんですね。複式簿記は西洋の二元論から生じたものといわれていますが、根底に、東洋的な循環論で見ると違って見えてみます。
 仰るとおり貸方は「空」空は空っぽではなく、すべての始まり命の根源に繋がっています。その自己資本の部分を、株券(色)に変えて売買しているのが株式市場、負債の部分を証券化(色)に変えてばら撒いたのが今回のサブプライム問題です。
 「この不幸の連鎖を断ち切ることが出来るのは複式簿記の・・・・」ではないと思います。複式簿記に「色即是空」を見た、hatoさんの「循環の思想」がこの貨幣経済の混乱を救うのです。
 残念ながら、複式簿記を講じている方々、使っている方々のほとんどすべての人は、二元論で教え、二元論で使っています。だからこそ、循環論から見た複式簿記を提唱することで、自分のであった人々くらいは、気づいていただきたいと願っています。
 複式簿記に「色即是空に見た」数少ない縁者です。差し支えなければ、メールをください。意見交換をしましょう。

投稿: 懐中電灯→hatoさんへ | 2009/07/02 09:05

 最近資格を取るために、簿記の勉強をしています。
 といっても、先日(6月14日)に行われた試験の結果は、今一歩及ばずに不合格でしたが。
 それはともかく、それ以外にも座禅や写経もしていて、その傍らで簿記の勉強をするうちに、複式簿記の根幹に「般若心経」と同じ論理構造があるのではないかと思うようになりました。
 つまり、借方を「色」に貸方を「空」に例えれば「色即是空」が説明できるのではないかと。
 さらに、一見矛盾する「不増不減」も仕訳をすれば、日常の取引そのものが「不増不減」の連鎖だということも見えてくると。
 ついでに言うと、複式簿記の考え方そのものが「陰陽五行論」と同じなのではないかとも思います。
 というわけで、自分と同じ結論に到達した人はいないかと思い、ググってみたらこのページを見つけました。

 今現在世界中を覆っている不幸の原因は、デカルト起源の短絡的な○×主義だと思います。
 この不幸の連鎖を断ち切ることができるのは、複式簿記の考え方にもとずく、○×両立(○×仕訳)の考え方だと思いますがどうでしょうか?

投稿: hato | 2009/07/01 08:15

コメントありがとうございます
<しじみさん>
 まったく同感ですね。日本の政治家、官僚は庶民のことをまったく考えていませんね。医療、介護、年金など福祉をどんどん削り、削られたくなければ、消費税アップを認めろですからね。結局弱いものから取ることばかり考えていて、特別会計や税金の無駄使いを改めようとはしません。
 チャレンジする力もないのに、再チャレンジとは驚きです。格差社会の落ちこぼれてしまう人々を救うセーフティネットです。
 生活保護の不正受給は役人の怠慢、それを本当に困っている人々にしわ寄せをする論理が分かりませんね。
 法律を作る立場の政治家が、領収書問題では、「法律に違反していない」という発言をするのですから、これも驚きです。自分で作った法律すら守れない政治家、どこへ怒りをもっていけばいいのでしょうね。
 

投稿: 懐中電灯→しじみさん | 2007/10/16 01:27

こんにちは。大変ご無沙汰をしておりました。
懐中電灯さんはその後お元気でしたか。
先日私のブログにコメントを掲載して頂きましたが、
返信もせず失礼をいたしておりました。
このココログの設定がまだよく分からないのですが
コメントが届いても直ぐには公開されず、
私が許可をしないと出ないようですね。
これも悪いやからがたくさん居るからその対策なのでしょうね。
先日こんな話を聞きました。
今、日本では生活保護を打ち切られている世帯の
うちで餓死している人が年間数百人に及ぶという
事を聞きました。
その数日前には新聞に生活保護費の不正受給者が
後を絶たないとの報道も有りました。
この不正受給をなくすためという根拠から
餓死者が出てくるのでは役人を信頼できなく
なりますね。四角四面に法を振りかざすのではなく
一人一人にきめ細かい対応をしてほしいものです。

投稿: しじみ | 2007/10/15 14:33

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