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2007/11/28

続三丁目の夕日「日本橋の橋の上に見たものは?」

続三丁目の夕日を見ました。二丁目のど真ん中世代としては、「あんなもんじゃないよなあ」と想いつつ、前作以上にドタバタ仕立ての喜劇、泣かせる場面も、「さあ泣いてください」といわんばかり、見え見えのシナリオです。嵌るもんかと思いつつ、周囲のすすり泣きに誘われてか、涙が滲んでくきます。明るく泣けるいい映画です。
 日本橋の橋の上の二つのシーンがとても印象に残ります。第一は薬師丸ひろこ演じる主人公鈴木トモエが子連れで、元彼上川達也に日本橋の橋の上でパッタリ再会するシーンです。

 赤紙一枚で召集され、戦地に赴いたまま音信も途絶え、戦死したかと思っていた元彼、戦争によって引き裂さかれた悲劇?きっと当時の多くの若い男女が味わった儚い悲劇です。手を引かれているトモエの一人息子一平は、まさに自分そのもの、真っ只中です。トモエのその後の行動によっては、鈴木一家の幸せは、まったく違ったものになっていったことでしょう。
 きっとさらにねじれて、幸不幸変数が増え、解けない数式に、悲劇が重なっていったであろう危うい場面です。家で下着姿で、寝転がって平気で放屁する、真面目だけが取り得の不器用な亭主と、ネクタイ姿のエリートビジネスマンの元彼の姿がフラッシュバックするのです。「幸せ」と「ときめき」の違いです。「幸せとは『ときめき』の中にあるのではなく、『穏やかさ』の中にあることを映画はさりげなく伝えてきます。
 第二の日本橋の橋の上はラストシーンです。芥川賞を取り逃がした貧乏作家、茶川龍之介と小雪と淳之介、三人の家族が日本橋の橋の上で眺める夕日です。夕日の向こうに幸せがあるのではなく、今ここに、この夕日を眺めている足元に、すでに幸せはあるのです。「ぼかぁ幸せだなあ」と歌った加山雄三の幸せがそこにありました。
 幸せは「過去」「未来」の中ではなく、「現在」の中にあります。今多くの日本人が忘れている”今ここにある幸せ”が日本橋の橋の上にありました。

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コメント

まだ見に行けない、
ワクワク~、

投稿: yumenosima | 2007/11/29 07:54

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