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2007/12/26

ねじれ国会はメビウスの輪?

7月の参議院選挙で与野党が逆転して以来、政治家やマスコミから「ねじれ国会」という言葉が、しばしば発せられます。
「だから法案が通らない!」
「だから国が動かない!」
「だから大連立!」
 ”ねじれ”というと、なにか悪いことのような響きがあります。果たして悪いことでしょうか。本来参議院は衆議院とは違った視点で、論議することを期待されていたのに、政治運営の都合で、政党政治に毒され、いつの間にかミニ衆議院となり、存在意義さえ問われていたのですから、むしろ与野党逆転のほうが、参議院らしい姿といえます。

 そのために衆議院で過半数を占めた政党が、与党として政権を担うと決められているわけですから、過去に例が無かっただけで、かならずしも”ねじれ”ているというわけではないでしょう
 7月まで衆議院の2/3という圧倒的力で、法案を思いのままに通してきた与党としては、すんなり決まらないもどかしさがあるのは、わからないではありません。野党の政治家も、7月までは頭の隅で、野党の意見が通らないのは自分達が怠けているわけではない、2/3を与えた有権者に最終責任があると、考えていたとしても不思議ではないでしょう。
 しかし、いくら強行採決で、迅速に法案が通ったとしても、庶民のため、日本社会の未来のためにならなければ、意味はありません。世のため、人のためになる法案を通すために熟すための時間を割いて欲しいものです。
 ところが一転して7月からは、たとえ参議院といえども与野党逆転の支持をもらったのですから、野党の政治家が「いざ鎌倉!」逸る心も理解できないことではありません。
 参議院とはいえ与野党の逆転は、半世紀続いてきた55年体制の劇的な変化です。この政治状況は、選挙民にとっても、政治家にとっても、はじめての経験です。半世紀にわたって、天日に干したことがない不精者の布団のようなものです。すっかり、垢にまみれ、長年の汗を吸った、せんべい布団のようになっています。太陽に当てるとすれば、やはり裏から干すのではないでしょうか。畳も干さなければならないでしょう。半世紀に亘って吸ってきた汗を乾かすには、しばしの時間が必要なはずです。
 政治家の方々にも、この状態を”ねじれ”といわず、常態として、大人の政治を執り行う、駆け引きを、身に着けて欲しいものです。庶民も「法案が通らない!」という脅しに乗らないでしばし、静観したほうがいいのではないでしょうか?
  C型肝炎薬害訴訟も、薬事行政の責任を認めるのかどうか、まだ予断をゆるしませんが、とりあえず急展開しています。これも与党からみれば”ねじれ”のため、しぶしぶ動いたというのが本音でしょう。「疑い深い」ことは弱者が、命を存えるための、ささやかな、そして数少ない術なのです。
 長めの幅広のリボンを想像してください。一回ひねって、両端をつないで輪をつくります。そのねじれたリボンの輪は、表も裏もなくなってしまいます。ご存知メビウスの輪です。表は表、裏は裏と繋がっていたリボンの輪が、参議院の与野党逆転でメビウスの輪になったのです。
 メビウスの輪を1/2の幅のところで一回り切っていくと、360度で二回ねじれた、長さ二倍の大きな一つの輪になります。不思議なことに、この大きな輪は捻じれてはいますが、表は表、裏は裏になってしまい、メビウスの輪ではなくなってしまいます。これが今秋話題になった大連立かもしれません。
  メビウスの輪は「表即裏」「裏即表」、しばし般若心経でも称えながら、あせらずゆっくり、せんべい布団の裏干しをしましょう。まさか半世紀は掛からないでしょうからね。
 余裕のある勝ち組ほど「時間がない!」と急きたてます。しかし、物分りの悪いのは弱者の長所です。弱者が物分りよくなったら、勝ち組の餌食、負け組になってしまいます。
 「疑い深い」「物分りが悪い」は弱者が負け組みにならないための、生きる術と心得ましょう。
 試しにメビウスの輪を1/3の幅のところで一回り、切っていくと、幅1/3、長さ二倍で、360度で二回ねじれた大きな普通の輪と、長さは元のままで、幅2/3のメビウスの輪が鎖のように繋がったものができあがります。
  保守の自由党と民主党が合併して自由民主党になり、革新の社会党右派と左派が合併して、55年体制ができました。田中角栄までの与党、自民党はメビウスの輪だったのではないでしょうか。
 そして1996年に社会党が崩壊して、以後12年間、55年体制は表と裏がある普通の輪の、片肺飛行になっていました。 来年以降、大連立があるとすれば、メビウスの輪を1/3の幅で切って、できた面積1/3、長さ2倍の二回捻じれた普通の輪を野党として、面積2/3、のメビウスの輪を与党とする、二つの輪の鎖であって欲しいと願うばかりです。

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