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2008/01/28

映画「いのちの食べかた」を観て(2)いのちの増殖

    <写真2.豚の解体工程>
2 吊り下げ型のコンベアーで移動する牛の腹を割くと、どっと血液が腹から、口から胃液が迸り出ます。眼を背けたくなるようなシーンのはずが、カメラワークなのか、次のシーンを想像して、凝視してしまいます。
 牛の繁殖は直接交尾させることはなく、発情した雌牛の後ろから、雄牛を乗駕させ、射精の瞬間に精子を横取りして、それを人工授精に使うのです。霜降りの美味しい肉を作り、美味しい乳を沢山出す、牛を作るためです。 豚も、鶏も大同小異、次から次へとコンベアに吊るされ、加工されていきます。 

                 <写真3.働く労働者の昼食>                                                   4049_6
時折作業している労働者を映し出します。表情ひとつ変えず、流れてくる鶏の足を黙々と切り取る労働者、<写真3.>はその労働者の昼食のシーンです。
 コンベアの前にいるときとまったく変わらない無表情です。いちいち眼を覆って「ワァー可哀想!」とか哲学的に「いのちとは?」などと考えていては、身がもたないことでしょう。己や己の家族の今日の糧を得るために、毎日毎日同じ作業を続けているのです。
 台所で、「私可哀想でゴキブリも叩けない」とか、「尾頭付きの魚は嫌い」などとのたまう若い主婦にも、是非両手で顔を覆ってもいいから、指の間からでも垣間見て欲しいシーンです。
 「嫌い」と奇麗事を言っている陰で、目に見えないところで、その「厭なこと」を代わってくれている人々が大勢存在すること、その存在のお陰で、我々も日々の糧を得ていることを知ることが大事だと監督は考えているのではないでしょうか?そしてその大勢の人々は、日本人より圧倒的な低賃金の下で働いていることも。決して「カネで買った」のではないんですね。
 トマトやパブりカは温室の中で土を使わない、液肥による栽培が映し出されています。無人の室内に、定期的に自動的に薬剤散布が行われ、屋外では飛行機での農薬散布が映し出されています。農作物は、植物のせいで、動物の自分とは距離があるのか、残酷さは感じられませんが、その農場の規模に圧倒されます。
<続く>
<シアターイメージフォーラム上映中>
http://www.imageforum.co.jp/theatre/index.html

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