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2009/06/27

「勝ち組」の「せこさ」加減(2)コンビニの弁当廃棄問題

 題名の「せこさ」については後にして、まずお店を持つ資本力も持たない弱者である僕の視点から考えるこの問題の模範解答を一つ。テレビや新聞報道で解説する評論家も学者も、誰も語らないのですが、模範解答は「廃棄ロスを出さない」ことです。日頃から申し上げていることですが、「Why」「何のために」「なぜ」を連発すれば見えてくるものがあります。なぜ、どうして廃棄ロスが出るのでしょうか?
 力関係では、コンビニ本部のフランチャイザーは「強者」、お店を経営するフランチャイジーは「弱者」の関係にあると思います。しかし、お店を持つ力も無い庶民の僕からは双方とも資力を持った「強者」に見えます。その「Aコンビニ強者連合」が、他のB,Cという強者連合と企業間闘争に明け暮れているから、「廃棄ロスを出さない」という模範解答が見えないのではないかと思うのです。 

 本来企業は商品、サービスを通してお客様に選ばれる競争をしているはずです。少なくとも「お客様第一主義」「顧客満足」を掲げている企業という前提つきですが。それなら「品切れごめん」でいいのではないでしょうか、生活者という視点を持ったお客なら、お店に利便性(コンビニ)を求めているのですから、サンドイッチ、パンと在庫のあるものへ対象を変えればいいのです。お店の利便性を買っているのですから。消費者という視点なら隣のB店に向かいます。B店が品切れならC店へ、近くの牛丼、ラーメン屋に飛び込めば、腹を満たすことができます。いずれにしろ町中から廃棄ロスは消えていきます。
 模範解答はさておき、テーマを「せこさ」に戻します。ザーとジーという関係では、相対的に弱者である、コンビニのオーナーが弁当廃棄のロスのコスト負担に耐えられなくなって、フランチャイザー(強者)に叛旗を翻しました。過去にも何度か叛旗を翻したこともありますが、悉く、潰されてきました。「もったいない精神?」「食糧自給問題?」という時代の変化か?それとも単なる不況ゆえか、公正取引委員会が、フランチャイザーの価格決定権に疑義を差し挟み、ザーによる弁当の値引制限に排除命令を出しました。
 この公取の初の勧告を受けて、フランチャイザーの取った施策が、「原価の15%をザーが負担する」というものです。強者が弱者の「せこさ」に付け込んで耳元で囁くならまだしも。記者会見の席で公に発表するとはなんと「せこい」施策なのかと思った次第です。
 原価の定義が、ザー(強者)が製造業者(弱者)から仕入れる仕入原価なのか、ジー(弱者)がザーから仕入れる仕入原価なのか定かではありません。僕は後者と受け止めましたが、後者だとすれば、ジー(弱者)の仕入原価にはザー(強者)の粗利益が上乗せされているはずです。ジーが廃棄して損を蒙っても、ザーは儲かる仕組みです。
 僕も「定価販売を守ることが顧客の信頼を守ることになる」は大賛成です。信頼、安心はコスト低減の近道、値引き販売は、定価で買った顧客が損をした気分になるからです。しかしそのお客の信頼を守ると称して、そこでもザー(強者)が儲けているとしたら、ジー(弱者)も叛旗を翻さざるを得ません。叛旗を翻さなければ、負け組に落ちてしまいます。叛旗を掲げる力があるうちは弱者ではあっても負け組ではないのです。
 ザーに強者という自覚があれば、記者会見の場を待つまでもなく、弱者の叛旗を見る前に、「お互いに50%を負担して」「定価販売という、お客様との信頼を守ろう」という提案ができたのではないでしょうか?痛みを分かち合えば、お互いで廃棄ロスを減らす近道である、「品切れを抑える」知恵に向かうのではないでしょうか。
 記者会見の場でも、ジーとザーは対等の関係であって、優越的地位(強者)に立つものではないと発言していましたから、己が強者であるという自覚、庶民から見れば、ザーとジーも強者連合であるという自覚もないということなのでしょう。コンビニの弁当廃棄ロス問題も生産者と消費者という切り分けが招来する供給力過剰、その過剰が生み出す、大量生産、大量販売、大量廃棄という未成熟社会の構造の一現象です。
 さて、ザーとジーの強者同士の闘争を横目に見て、弱者である、庶民はさらに「せこさ」の特権を生かして、店頭で値引きの札がつくまで、空腹を我慢することにしましょう。生活者の僕は、一食抜くことにします。現在ダイエット中、折角減量のチャンスをいただいたのですから。さすればお金も残るし、一石二鳥です。強者同士のの闘争は、どちらか一方が負け組に落ちるか、傷つけあって妥協するか、いずれにしろいつか決着がつきます。
 赤福の問題、白い恋人の問題も、根っこは一つ、お客様第一主義が法衣の下の鎧になっているのです。上杉謙信ならもう少し上手に、おしゃれに”愛”の一文字を染めた法衣を纏ったのではないでしょうか?

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