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2009/06/03

公的資金(税金)で産業再生することの哀しみ(2)

しかしベルリンノ壁が崩壊し、多くの人々が資本主義の勝利を信じたそのとき、むしろカウンターパワーを失って、ITバブル、エンロンバブル、サブプライムバブルと膨張し、とうとう大破裂を起こしてしまいました。
 その結果、今世界中で「産業再生」「公的資金」の大合唱です。
なんども書きますが、公的資金とは庶民が負う未来の税金です。
公的資金を投入するのは国有化だ、それでは社会主義と同じだ、などとのたまう評論家、経済学者もいるようですが、暴走して食い逃げした勝ち組の後始末をさせられているだけで、決して新自由主義が行き詰ったり、金融資本主義が崩壊したりしたわけではありません。

資本主義が崩壊して、社会主義や共産主義になるわけではありません。リスクを取ったものが、責任を取らない仕組みは、社会倫理の崩壊です。資本主義の堕落です。強者であり社会のリーダー役である官僚や企業経営者の倫理崩壊は、弱者である庶民の生活の貧困化へと直結していきます。

今アメリカではビックスリーと言われて、アメリカ産業の象徴だった、自動車産業が苦境に陥っています。そのトップのGMの再生に政府の資金(未来の税金)が使われ、再生後はアメリカ政府と労働者の年金基金が大株主になります。一見すると、まさに社会主義国家のようです。
 
しかしそうではないのです。度重なるバブルの崩壊を通して、労働者の年金基金や401Kによる退職金は蝕まれてしまっています。GMが再度苦境に立ったとき、労働者の年金基金は毀損し、投入した税金は庶民の負担としてふりかかってきます。実態は政府が浮遊霊と化した紙切れ紙幣を操る金融資本に乗っ取られた姿が今日のUSAの姿に見えます。
 
日本でも4月22日の日経新聞では、パイオニア・エルピーダメモリ・日立製作所への出資、日本航空・全日空・日産自動車・三菱自動車・富士重工業・いすゞ自動車への融資が公的資金(税金)で行なわれると報じています。環境対策を理由に、ヨーロッパでも日本でも環境対策と称して自動車業界、電機業界への支援がおこなわれています。サブプライムに代表される、浮遊霊に取り憑かれ未来の実需を先取りした実物経済は、適正規模まで縮まなければ、真の解決にはならないと思うのですが、アメリカの浮遊霊の分家と化した日本の浮遊霊もじわじわと政府乗っ取りを始めているように見えます。

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