« 爽秋の北ア表銀座(1)大天井岳へ | トップページ | 爽秋の北ア表銀座を歩く(3)大天井岳の朝 »

2010/10/06

爽秋の北ア表銀座を歩く(2)大天井岳の夜空

    <月明の浅間山>
20100925dsc021652b 標高三千㍍の高みで夜景を撮る機会は滅多におとずれない。一人歩きの気軽さで、19:00小屋を抜け出して三脚を構える。月が浅間山のかなたからスルスルと登ってきます。浅間山の手前の街の灯火は上田、佐久平、軽井沢の当たりだろうか。手前の街は松本だ。
 <天空を抱きとめる槍穂連峰>20100925dsc021721b_2
 
月が登るにつれ槍穂の峰々も薄っすらと稜線が浮かんでくる。北穂の小屋の灯火がひとつ点っている、難所のキレットを越えた登山者は、何を語らっているのだろうか。僕の明日の宿槍ケ岳山荘、昔は肩の小屋といったものだが、灯火は槍の裏側にいまだ隠れている。「山小屋の灯火は今宵も点りて一人聞くせせらぎも・・・・・」人気のない山頂でかじかむ手に息を吹きかけながら、一人口ずさんでみる。

                       

    <大天荘語らいの夜>
20100925dsc021782b 大天荘は山頂に西風から守られるように建っています。
 小屋の夕食は日没の18:00からです。大方の山小屋の夕食の味噌汁は周囲の人数に気遣い、お玉で具を掬うのですが、ここの芋汁の具沢山には驚く、お玉に掬いきれないほどしっかり入っている、食堂から三々五々客が消えた後のお鍋に食べ切れなかった具がたっぷり残っています。榊さんのもてなしの確かさです。
                            <テントの中も楽しそう>                           20100925dsc021692b                    さらになんと、地酒が振る舞い酒で用意されていました。大方の山小屋では、食事を済ませるとさっさと引き上げてしまいます。従業員に急かされ、そうしなければならない雰囲気に包まれているのです。この小屋のもてなしでは、そんな雰囲気を微塵もみせません。振る舞い酒や生ビールを飲みながら、ゆっくり飽きるまで談笑しているのです。
 
 

      <振舞い酒>
20100925dsc02156b  他の山小屋では「ドリップコーヒー500円」の紙がぶら下がっていますが、ここは受付に無言で香りが漂っています。そう無料なんです。山小屋とは思えない極上のサービスに包まれています。
 驚くことに、「ゴミは必ず持ち帰ってください」「水は貴重です。節水に気をつけてください」といった張り紙もないのです。汚していい、ゴミを置いて行け、というのではありません                       <宴の後も余韻を残す>                   20100925dsc02157b 「うちのお客様は、そんな低レベルのマナーを注意しなければならないような低級なお客様ではありません」と宣言しているようです。ちょっと尻がムズ痒くなってきます。
 「お客様に選ばれ、お客様を選ぶ」という究極の顧客満足の姿勢で貫かれているのです。
 そういう無言のメッセージが見えない客を見かけるとつい声をかけてしまいます。山小屋では、貴重な水は1㍑200円で頒けているのですが、それでも、ポットの番茶を明日のためにこっそり自分のポットに移している女性客がいます。こそこそ、後ろめたくないのか?麻痺してしまったのか?。登山という遊びができる時間の余裕がありながら、こと百円を惜しんでしまうのは悲しい。一言「頒けてください。いかほどお支払いすればいいですか?」と言えば済むこと、もしかしたら無料で済むかもしれないのです。すでに受付でドリップコーヒーを、食堂で振舞い酒をご馳走になり、何処よりも具沢山の芋汁を味わったばかりなのに。翌日は同じ縦走路を抜き抜かれつ、時折顔を合わせてながら終日歩くのです。そういえば、今日も何度か記念写真のシャッターを押してあげたグループ、話の様子では、明日の山小屋も一緒のようです。
<大天荘>
http://www.enzanso.co.jp/daitenso/index.html
     

|

« 爽秋の北ア表銀座(1)大天井岳へ | トップページ | 爽秋の北ア表銀座を歩く(3)大天井岳の朝 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/50017/49649603

この記事へのトラックバック一覧です: 爽秋の北ア表銀座を歩く(2)大天井岳の夜空:

« 爽秋の北ア表銀座(1)大天井岳へ | トップページ | 爽秋の北ア表銀座を歩く(3)大天井岳の朝 »