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2010/12/24

お奨め「超マクロ展望世界経済の真実」水野和夫・萱野稔人著

書名 「超マクロ展望世界経済の真実」
著者 水野和夫・萱野稔人
出版社 集英社(集英社新書)

山を歩いていると時折道に迷うことがあります。急な登坂が途切れ、ひと時、起伏が穏やかな道が続いたそのときが危ない。足元ばかり見ながらふと、もの思いに耽って歩いています。真っ直ぐに続く踏み後を辿ってしばらく歩いていると踏み後はぱったり途絶えてしまいます。慌てて引き返すと、道は大きく折れ曲がりながら急勾配に続いています。無意識に足は、真っ直ぐな、緩やかな方向に踏み出していたのです。
 経済の動きも、日々の仕事に没頭し、新聞、テレビの報道の前月比、前年比、等々目先の経済指標に囚われていると、表層の小波、流れは見えても、底流に方向の違った大きな流れのあることに気づかず、気がついたら戻ることのできない急流に押し流されてしまいます。

 この本、2003年に著書「100年デフレ」で「先進国のデフレは止まらない!」と預言した水野和夫氏の経済の眼と萱野稔人氏の政治哲学の眼、二つの視点から複眼的に大きな流れを捉えてくれています。デフレの「今」そして「未来」を掴む貴重な一冊です。
 若い頃読んだ邱永漢さんの「お金の流れを捉えろ!」「お金は東から西に流れていく!」の一文が、頭の隅にこびりついています。その後ジャパンアズナンバーワンと煽てられ、アメリカの凋落が囁かれて、もしかしたら日本に?と思ったものでした。
 たしかにイタリア→オランダ→イギリス→アメリカと資本の集積は偏東風に乗っているかのように流れています。1980年代の後半日本のバブルの渦中でも、「もしや」と期待したものでした。しかし現実は、日本人が「勤勉の哲学」と汗水たらして老後のために溜め込んだお金は、アメリカに逆流してしまいました。「なぜだ?」
 今後経済的に隆盛期を迎える中国、アジア諸国、インドの人々も日本人のように「なぜだ?」と嘆くときが来るのでしょうか?、それとも今度こそアメリカの覇権は、巷で囁かれているように、中国に移るのでしょうか?
 「超」がつくほど遠い未来のことではなく、極めて自分の近未来を想像するために、日本人、日本企業の舵取りを考えるためにも必読の一冊、新書たった720円です。

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