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2011/05/10

「いろは歌」が浮かんでくる

3.11以後ふと「いろは歌」が脳裏に浮かんでくることが多くなりました。空海の作といわれたりしていますが、そうではないようです。日本人の知恵の結晶です。筆と紙どころか、指と砂があれば、ひら仮名と一緒に仏教の真髄、「空」を学ぶことができるのですから。筆や指先を使うので、指先から心に焼き付いてしまうのでしょう。「空」を解説できなくても、「空」そのものが日本人の心に沁み込んでいます。
色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見じ 酔ひもせず

 いろは歌を口ずさむと浮かんでくるのは「諸行無常」の四字熟語です。この四字熟語は、耳から入ると「ショギョウムジョウ」と聞こえてくるので、どうしても「レ・ミゼラブル=ああ無情」 と響いてきますが、そうではなく、この世のすべてのものは、変化して止まない、移ろっていくものだといっているだけです。無情でも非情でもないのです。般若心経の「色即是空」もすべては「空」と教えています。
 わかったつもりでいても、この「すべては変化して止まない」ということすら、無意識のうちに「自分は別にして諸行無常」と考えがちです。人生の下り坂を「老中」と称して歩き出して、つくづく己の身勝手さにあきれてしまいます。強調して「自分も含めてすべては変化して止まない」と唱えることが大事だとあらためて思うようになりました。
 夢を見ることも大事、目標を持つことも大事、信念を持つことも大切ですが、己が変わるのですから「夢」も「目標」も「信念」も変わっていくことを受け入れてもいいのではないかと思います。戦後最大の「民難」「国難」の「今ここ」ですから、なお更のことです。
 「夢」「目標」「信念」を失うのではない、変えるのでもない、”変わる”のですから、変わることを受け入れればいいのだと思います。新しい日本が見えてくるかもしれません。
 山に登って、夕日が西の山に落ちるのを見て、翌朝東の空から昇る朝日を見ると自分が生まれ変わったような気分になります。日が沈む30分くらい前、太陽が昇る30分くらい前から、山や雲、木々の色が変わりはじめます。周囲の人々の顔も赤く染まっています。きっと自分の顔も赤く染まっているに違いありません。

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