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2012/04/19

お奨め「政府は必ず嘘をつく」堤未果著

書   名 「政府は必ず嘘をつく」
著  者 堤未果
出版社 角川SSC新書
サブタイトル -アメリカの「失われた10年」が私たちに警告すること-
 タイトルがいいですね。思わず店頭で手にしてしまいます。今世界で何が起きているのか、日々のテレビや新聞といったマスコミからの一方的に送られてくる情報では本当のことは見えてきません。このことは福島原発事故、その後の政府、マスコミ一体となった情報隠蔽体質で明らかです。むしろマスコミ報道は煙幕のように真実を覆い隠そうとしているように見えます。
 通販サイトの書店では自ら能動的に求める書籍しか目に入りませんが、リアルの書店に足を運ぶと店頭には思いがけない真実の情報があります。といっても、いつも申しあげているように情報は「受け手の都合」、「送り手の都合」です。「真実とは何か」情報を受け入れる受け手としての「己の意図」、「送り手の意図」を探り(疑い)つつ手にする必要があります。
 福島福島原発事故を契機に今まで見えなかった(見ようとしなかった?)「政・官・財・学」が巧妙に作り上げてきた巨大な原子力村の存在が明らかになりました。著者によれば、それは日本だけではなく、アメリカ、ヨーロッパにも強固に存在しています。IAEAもその一翼を担う機関に過ぎません。
 そして原発利権だけではなく、あらゆるものを利潤の対象として取り込むムーブメントが目に見えてきました。1%が99%を支配する構造が新自由主義、グローバリズムの旗を立て世界に広がろうとしています。IMF、世銀もその一翼を担っています。だから安住財務大臣が軽々と約束した今回のIMFへの増資額4.8兆円(庶民の未来の税金)は欧米の金融機関が保有するギリシャ等々の不良国債の肩代わりをする資金に充当されるのです。曰く「EUが破綻すると1929年大恐慌の再来になる」と。  

 チュニジア、エジプト、リビアと独裁政権が倒れ、相次いで民主化への道を急いでいるアラブの春もアメリカの公的な予算がつぎ込まれていると著者は書いています。民主化したほうが都合の良い眼に見えない力が働いている、ここでも「情報は送り手の都合(意図)」を見抜かないとなにも見えてこないということですね。
 もっとも日露戦争当時、日本もロシアの革命勢力へ資金を援助していますし、英米は日本に資金援助していますから、アラブの春の背後に西欧の資本の力が働いているのも不思議なことではないのです。シリアの暴動も然りです。
 昔は死の商人といった産軍複合体も今はもっと複雑巧妙になり、著者がコーポラティズムと呼んでいる資本と政治家と官僚の眼に見えないネットワークになっています。
 一例を上げると、3.11の瓦礫焼却処理にいち早く名乗りをあげた東京都、瓦礫焼却をする、東京臨海リサイクルパワーという会社は、なんと東電が95.5%を出資する会社です。瓦礫処理に投じる税金を吸い上げゴミ焼却発電でも儲ける、見ごとにマネー(浮遊霊)循環システムができ上がっています。
 サブプライムローンも低所得者を直接利潤の対象にした金融商品(媒体)であったと考えれば、今起こりつつあるもの、これから起きることも想像逞しくして考える必要がありますね。TPPも然り。 アメリカの1%がアメリカの99%を支配するのでも、日本の1%が99%を支配するのでもなく、世界の1%が世界の99%を支配する時代へ移行する内幕が赤裸々に語られた本です。自分で店頭に足を運び手にしてみてください。
 99%の側に立たされる、庶民の個人としての対策は、消費者を止めて生活者への変身を急ぐこと以外に打つ手はないのでしょう。
 

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