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2013/12/22

今読む「星の王子さま」(1)絆とは関係性

①書名 「星の王子さま」
  著者   サン=テクジュペリ(河野万里子訳)
  出版社 新潮社文庫
②書名 「星の王子さま-サン=テクジュペリ」
  著者  水本弘文
 出版社 NHK出版(100分de名著)
「星の王子さま」と聞けばこのフレーズが浮かびます。「本当に大切なことは眼に見えない」、①の本文には「とてもかんたんなことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは目に見えない」(P108)とあります。
 星の王子さまと名づけられた、小さな星のたった一人の住人、その星の王子さまはたまたまどこからか飛んできた種に水をやり、風から、寒さから守り一本の赤いバラの花を育てます。しかしそのバラは、少しも王子さまに感謝の言葉もなく高慢で、わがままな花なのす。とうとう嫌気が差した王子さまはバラを置き去りにして、小さな星を飛び出して、さすらいの旅にでてしまいます。一人の子供が成長していく物語、ラストシーンは旅先の地球で死を迎える物語です。又大人になって忘れてしまった心、なんの見返りも期待せず一本のバラの木に一所懸命水をやり守り育てる純な幼心を取り戻す物語でもあります。著書の冒頭の”小さな子供だったころの大人たちへ”という著者のメッセージは子どもたちへの童話を借りた、大切なものを忘れた大人のための物語でもあります。
 

  物語の内容は①にお任せするとして②はNHKの番組「100分で名著」2012年12月で星の王子さまを取り上げたときのテキストです。といっても原作「星の王子さま」のダイジェスト、解説ではなくて、「星の王子さま」をテキストに「大切なことってなあに」「目に見えないものをはどうやって見るの」を解き明かしてくれています。読者が様々な読み方ができる「星の王子さま」は著者サン=テクジュペリが童話に託した言葉になっていない、眼に見えないメッセージがあふれているからです。
 ②の著者水本弘文さんは王子さまのこころの目覚めの道筋を確かめながら、この眼に見えないメッセージを丁寧に紐解いてくれています。
 水本弘文さんは「所有するというのは、相手が自分の役に立つだけでなく、自分も相手の役に立つことだ、と王子は言っているのです。王子にとっては形の上での所有、非所有は二義的な意味しか持たず、一番大切なのは、両者の間にそれぞれ相手の喜びとなるような結びつきがあるかどうかなのです。」(P67)と書いています。関係性のこと、西田哲学にいう「『今ここ』の関係性こそ唯一実在」に通じるものです。(続く)

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