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2014/10/20

晩秋の谷川岳(2)蓬峠への縦走路

<霧氷の浅間神社奥の院>
20141018dsc00321b昨夜は気温は氷点下まで下がったのだろう。風も強かったので、落葉した枝々は雨氷がダイヤモンドのように朝日に輝いている。一の倉岳、茂倉岳の稜線が伸びやかだ。ここからは岩登りの殿堂と語られる風景は窺えない。

                               


                           <青い空の下>

20141018dsc00330b しかしトマノ耳から少し下った鞍部から覗くと一ノ倉沢から突き上げてくる岩壁に圧倒される。
 写真左下の岩に一枚の遭難碑が刻まれている。昭和28年11月3日一ノ倉沢Bルンゼで新雪に阻まれ遭難したとある。22歳、23歳二人の青年の遭難碑、そこには、お二人の勤務先もM銀行本店と刻まれている。

<双耳峰の谷川岳 >
20141018dsc00342b太平洋戦争敗戦後の日本経済の復興を担い、見届けたであろう前途有為の青年の遭難の碑だ。
 会社名が碑に刻まれているのも感慨深い。当時の企業名は、今よりもっと誇らしげで重みのある価値あるものだったに違いない。
 お二人が今ここに立ち現れたら、今の日本経済に、そして己れの会社の今の姿に、いかなる感想を持つのだろうか。僕は唯々黙祷するのみだ。

                          <武能岳から蓬峠へ伸びやかな縦走路>
20141018dsc00352b 
 遭難碑に黙祷して振り返ると谷川岳の姿が雄々しい。肩の小屋側からの姿とはまた違って見える。一ノ倉岳から先は伸びやかな熊笹の縦走路が続いている。山頂に立つと、歩いてきた路、これから歩く路、過去と未来の狭間の“今ここ”に立っているという実感が湧いてくるこの感覚が僕は好きなのだ。

<晩秋の蓬峠路>
20141018dsc00369b武能岳からは蓬峠まで40分ののんびりした歩きが続く、蓬峠ヒュッテの脇で温かいお茶を飲みながら、いつもの餅入りラーメンを作って昼食の一時。
 ここからの下山路、山腹を縫うようにジグザグに続いている。蓬峠路と呼びたいような下山路だ。
 しばらく下って高度が下がるとまだ紅葉も鮮やかさを残している。

                                  <静寂の下の静寂>
20141018dsc003772b沢筋の淀みに、落ち葉がゆるやかに影を伴って流れている。静寂の水面に静寂の影、落ち葉はただ流れていくだけ。
 

影一葉流れるありて
病葉の儚さの内に光こそみえ
 蓬峠路にて -雛鳳-


         
       

 <ススキの蓬峠路>

20141018dsc00388b 背の高いススキが目立つようになると山道は平坦な林道になる里も近いのだ。15:30分土樽駅に着く。
 18:01分の電車を待っていると、茂倉岳から下山してきた方が新潟に帰る途中だからと越後湯沢駅まで送っていただいた。諦めていたので、有り難い、只々感謝感謝。お陰で越後湯沢駅ビルの温泉で汗を流し、地ビールの缶を一本、新幹線に乗って今回の山歩き終了となった。
 夏の北アで痛めた右膝、左足首にZAMSTのサポーターを着け養生を兼ねた今回の山歩き、足の痛みも中くらいの晩秋を満喫した。                      

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