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2015/01/31

現役官僚の内部告発小説「東京ブラックアウト」を読み終えて

書名 「東京ブラックアウト」
 
著者  若杉洌

出版社 講談社

話題の小説昨夜遅くに読み終えた。枕元の読書灯を消して目を瞑った一瞬背筋がゾクッと凍りつく、ホラー小説を読み終えた感覚に襲われた。ドラキュラ伯爵が浮世絵美人のうなじから生き血を吸っている、ゾンビが口の周りを真っ赤に染めて日本国民の生肉を貪っている。とても円山応挙の幽霊のような優美な姿ではない。おどろおどろと繰り返し、繰り返し蘇りながら襲ってくる。

映画化されてホラー映画として上映されたら、日本も脱原発に向かうことができるかもしれないと思った。本書の帯には23万部突破とある、前作「原発ホワイトアウト」と合わせれば40万部を超えるのだろうが今の日本、悲しいかなこの程度では無理なのかもしれないとも思う。何故ってこの小説に書かれているように政官財のトライアングルを形成する電力利権のシステムはゾンビなのだから。

 小説の結末はこうだ。続々と再稼働する原発、そのなかの一つ柏崎刈羽原発、小説の中では新崎原発が爆発(何故か?は本書を)して首都圏が放射能汚染で壊滅する、福島原発事故の再現だ。著者が「電力モンスター・システム」と命名する電力利権システムを操る経産省官僚の復興のアイディアが凄まじくも恐ろしい。長くなるが本文P216からから引用しよう。

「核燃料サイクルの19兆円にだって騒がない呑気な国民なんだからな、ふふ。原発事故によって必要になった遷都の費用だから原発の発電力に対して課税する・・・・そうすれば、原発を動かさない限り、遷都ができないというわけだ。」

「それから、汚れた土地、まあ関東平野のかなりの部分まで及ぶかもしれない・・・その使い道として、海外から使用済み核燃料の中間貯蔵施設を誘致する」

「これから日本国債の価値が暴落し、円安、株安、債券安のトリプル安が日本経済を襲うだろう。この経済不況を乗り切るために日本が外貨を獲得していくことは不可避。我が国が不死鳥のごとく経済的に甦るために、どうしても必要なことだし、最終処分場でないと強弁すれば大丈夫でしょう」
と嘯いている。

国会議員も官僚も皇居も京都へと遷都、そして衆参同時選挙を経て、皇太子を摂政に立てて(何故か?は本書を)なお加部(安倍?)政権は続いていく、まさにゾンビが永遠に蘇る自己循環システムだ。しかし日本列島は関東から福島の広大な汚染地域を緩衝地帯として分断され生きることになる。残された国民はさらに繰り返し、繰り返し永遠にゾンビに貪られていくのだ。

再び読書灯をつけた。天井の節穴からキラッと異様な眼が光っているよう見え、思わず身を縮め、無間地獄は今の日本列島そのものなのかもしれないと思った。貪るも者、貪られる者、共に地獄の亡者なのかもしれないと思った。

<これが「電力モンスターシステム」の一部か?>

http://www.asahi.com/articles/ASG1R56G4G1RULZU003.html
<追伸>
 小説の中の新崎原発が福井原発でも同じことだ。関西圏名古屋圏が壊滅して日本列島は二分される。又、積極的平和主義を掲げて、もし太平洋戦争のように「東シナ海においてXX国と戦闘状態に入れり」と隣国と戦争状態に突入したら、隣国は核ミサイルを使う必要はない、通常ミサイルを福井原発、柏崎刈羽原発に撃ち込めば日本はたちどころに壊滅する。
 
そしてそれは地殻が不安定な周期に入っているといわれる日本列島、火山の噴火でも地震でも同じことだ。これもすべて想定外のことなのか。想定外とするなら、この小説の結末を“覚悟”しておく以外にないのだ。日本国民は覚悟ができているのだろうか?そういう己れはできているのか?子供の頃から弱虫を自認する己れにできているはずはない、そのときただオロオロと逃げ惑うのだろう。せめて己れの孫一人くらい助けて欲しいと利己心で神に祈りながら。

 

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コメント

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投稿: Andres | 2015/02/22 13:50

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