« 書名「資本主義から市民主義へ」岩井克人著<7日間ブックカバーチャレンジ第六日> | トップページ

2020/05/16

書名「エンデの遺言」河邑厚徳+グループ現代著」<7日間ブックカバーチャレンジ第七日>

<7日間ブックカバーチャレンジ第七日>
書 名 「エンデの遺言」ー根源からお金を問うことー
著 者 河邑厚徳+グループ現代
出版社 NHK出版
初 版 2000年2月
Jpeg_20200516142001  聖書MMTの預言にはこうあります。「各国の中央銀行は自国民が自国通貨を受け取る限りにおいて、無限に自国通貨を発行することができる」と。それは、経済学者岩井克人が「貨幣は貨幣だから貨幣である」と喝破した定義と同じ意味です。「自国通貨(お金)は他者(自国民)が受け取る限り自国通貨(お金)である」という意味において。
 そしてMMTでは「自国通貨は政府の借用書である」とも預言しています。国民個々人が資産だと思って保有している虎の子の現・預金残高は、政府の借用書の残高だと。それを無限に受け取ってくれるのですから、受け取ってくれるうちに増刷しておきたいと思うのは人情ですね。
 本当に借用書でしょうか。僕は徴税済領収書だと思っています。だって古今東西、時の権力者は国家債務を返済したことはないのですから。沢山持っている人が多額納税者なのかもしれません。
 この本は、童話「時間泥棒」の著者ミヒャエル・エンデが日本人に託した遺言をもとにNHKのドキュメント番組として放映されたものです。
 M・エンデは童話「時間泥棒」の中で人間たちが時間を盗まれ生活空間が暗闇になっていく様子を描いています。
 時間節約銀行の紳士(灰色の男たち)が街の中を「時間」を集めて回るのです。「時間節約こそ幸福への道!」、「時間節約をしてこそ未来がある!、「時間を節約しよう!」「時は金なり!」「時間を貯蓄しよう!」と称えながら。
 紳士はこっそりいいます。「人間に・・・知られないでいるあいだしか、仕事ができない・・・むずかしい仕事だ、人間から生きる時間を一時間、一分、一秒とむしり取るんだからな・・・人間が節約した時間は、人間の手には残らない・・・われわれがうばってしまうのだ・・・貯めておいて、こちらのために使うのだ・・・われわれは時間に飢えている・・・ああ、きみたち人間ときたら、じぶんたちの時間のなんたるかを知らない!」
 若い頃僕が「生産性」「効率」「コストダウン」と称えていた姿はこの灰色の男と同じだったのです。(苦笑)
 童話では、預金が増えれば増えるほど街に暗闇が拡がっていきます。主人公モモの活躍で街の人々も気がつき、街に光が戻ってきて、めでたしめでたしと。
 現行の通貨制度(変動相場制)下では、世界の片隅でつくりだしたささやかな価値(経済価値)も自国通貨(お金)と換えること、そして米ドルという基軸通貨(世界通貨)と繋がっていくことで、地域から中央へ、中央へ、世界の中心へと吸い上げられていき、価値をつくった地域にはなにも残らないのです。たとえ預金通帳残高に残ってはいても。
 M・エンデは本書の中でシルビオ・ゲゼルの貨幣の仕組みを詳細に紹介しています。あのケインズも自著「雇用、利子、および貨幣の一般理論」の中で絶賛した仕組みです。
 出版当時ベストセラーになりゲゼルの貨幣論を地域通貨の仕組みに生かそうと国内各地でブームになりました。いまでも飛騨の「さるぽぽ」、高田の馬場の「アトム通貨」といくつか成功例もあるようですが雨後の筍のように出ては消えていっているようです。
 本書を通してサブタイトルにもある「根源からお金を問い直して」みてはいかがだろうか。ポスト・コロナの社会に本格的に格差が拡大していくとすれば、M・エンデが日本人に残した遺言は、「地域おこし」「地域活性化」といった大きな旗印ではなく、人々の生活を支え「いのちの活き」を支えていく互助の聖書として活かしていく可能性を秘めているのではないかと思います。
 AI,IOT,ロボットと情報通信技術が一層発展していくこれから、梅棹忠夫のいう「内胚葉産業の外肺葉化」を地域通貨で下支えすることもできるように思います。
 己れ自身にとっては残り僅かではありますが、ポスト・新型コロナ社会を明るいペシミストとして、生き抜いこうと誓いつつ「セブンデイズチャレンジ」を終わることといたします。
 現在の日本社会の惨状を憂うあまり一つ一つが長いものになりました。ご容赦ください。どなたかバトンを受け継いでくれる方が出てくれることを祈りつつ。
【目的】
●読書文化の普及に貢献するためのチャレンジ
●参加方法は好きな本を1日1冊、7日間連続投稿する
【チャレンジのルール】
●本についての説明はナシで表紙画像だけアップ
●その都度1人のFB友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いする。

|

« 書名「資本主義から市民主義へ」岩井克人著<7日間ブックカバーチャレンジ第六日> | トップページ

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 書名「資本主義から市民主義へ」岩井克人著<7日間ブックカバーチャレンジ第六日> | トップページ